ロシア凍結資産、法的に可能なら西側は没収に動く=ドイツ首相

5月15日、ドイツのメルツ首相(写真)は同日付の独紙ツァイトのインタビューで、ドイツとその同盟国は法的に可能なら、凍結されているロシア資産の没収に動くとの見方を示した。ベルリンで14日撮影(2025年 ロイター/Lisi Niesner)
[15日 ロイター] - ドイツのメルツ首相は15日付の独紙ツァイトのインタビューで、ドイツとその同盟国は法的に可能なら、凍結されているロシア資産の没収に動くとの見方を示した。
ロシア資産の没収について首相は「現在、明確化の作業が進んでいる」と説明。「法的に全く問題のない根拠に基づいてこの資金を動かす方法があれば、われわれは実行する。しかし、こうした措置が欧州の金融市場にもたらすリスクについても認識しておかなければならない」と述べた。
ロシアのウクライナ侵攻後に米国とその同盟国はロシアの中央銀行および財務省との取引を禁止し、ロシア資産約3000億ドルを凍結した。
欧州諸国の指導者はこの凍結資産をウクライナの復興に充てたいと考えているが、法的な問題や悪しき前例をどのように回避するかを巡って合意がまとまらず、複数の選択肢が検討されている。ドイツや欧州中央銀行(ECB)は、没収は法的に問題があり、通貨ユーロの準備通貨としての地位を損ないかねないとして、主権国家の外貨準備没収に慎重な姿勢を取っている。
またメルツ氏は対ロシア経済制裁について「今はあらゆる選択肢を出し尽くすべきだという点で、われわれ各国・政府トップの見解は一致している」として、エネルギーや銀行などのセクターのほか、資産や個人への制裁で強化を検討していると明らかにした。