最新記事
野生生物

サメによる「攻撃」増加の原因は「インフルエンサーがバカだから」

Influencers Blamed for Rise in Shark Attacks

2025年5月13日(火)18時30分
ジョー・エドワーズ
サメと「戯れる」インフルエンサーが原因? 専門家「それ、迷惑です」(写真はイメージです)  Marcelo Cidrack-Unsplash

サメと「戯れる」インフルエンサーが原因? 専門家「それ、迷惑です」(写真はイメージです)  Marcelo Cidrack-Unsplash

<サメの「攻撃」が増えているとされるが、実際は人間の「先手」が原因かもしれない。特に問題視されているのが、SNS映えを狙ってサメに接近・接触するインフルエンサーたちの存在だ>

近年増加するサメによる咬傷事故の多くは、攻撃というよりも、人間による干渉に対する自己防衛の反応かもしれない...そう指摘するのは、海洋生物学者たちだ。

特にSNSインフルエンサーらがサメとの「ふれあい」を促進していることが、事故を誘発しているとする見方も出ている。

【画像】「サメが危ない」の裏にあるインフルエンサーの「バカ行動」

映画『ジョーズ』やセンセーショナルな見出しの影響で、サメ=人間に襲いかかる危険な捕食者という印象が広く浸透しているが、専門家によれば、サメは基本的に人間に対して自発的に接触を試みることは少ないという。

「サメには非常にネガティブな印象バイアスがある」と語るのは、PSL研究大学のエリック・クルア教授。同氏はタイムズに、サメによる人間の死亡例は世界中で年間10件以下であるのに対し、犬による死亡は年間1万件以上あるにもかかわらず、犬は好意的に見られていると指摘した。

クルア氏とその研究チームは、2009年から2023年にかけて仏領ポリネシアで記録されたサメによる咬傷74件を調査。そのうち約5%が、人間がサメに触れたり刺激を与えた直後に起きた「防衛的な咬みつき」であることがわかった。多くの傷は浅く、捕食行動による「肉片の切除」のような痕跡はなかったという。

BAT
「より良い明日」の実現に向けて、スモークレスな世界の構築を共に
あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

アングル:欧州の防衛技術産業、退役軍人率いるスター

ワールド

アングル:米法科大学院の志願者増加、背景にトランプ

ビジネス

逮捕475人で大半が韓国籍、米で建設中の現代自工場

ワールド

FRB議長候補、ハセット・ウォーシュ・ウォーラーの
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:豪ワーホリ残酷物語
特集:豪ワーホリ残酷物語
2025年9月 9日号(9/ 2発売)

円安の日本から「出稼ぎ」に行く時代──オーストラリアで搾取される若者たちの実態は

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「4針ですかね、縫いました」日本の若者を食い物にする「豪ワーホリのリアル」...アジア出身者を意図的にターゲットに
  • 2
    「怖すぎる」「速く走って!」夜中に一人ランニングをする女性、異変を感じ、背後に「見えたモノ」にSNS震撼
  • 3
    眠らないと脳にゴミがたまる...「脳を守る」3つの習慣とは?
  • 4
    「稼げる」はずの豪ワーホリで搾取される日本人..給…
  • 5
    「生きられない」と生後数日で手放された2本脚のダ…
  • 6
    ロシア航空戦力の脆弱性が浮き彫りに...ウクライナ軍…
  • 7
    「ディズニー映画そのまま...」まさかの動物の友情を…
  • 8
    金価格が過去最高を更新、「異例の急騰」招いた要因…
  • 9
    ハイカーグループに向かってクマ猛ダッシュ、砂塵舞…
  • 10
    今なぜ「腹斜筋」なのか?...ブルース・リーのような…
  • 1
    「4針ですかね、縫いました」日本の若者を食い物にする「豪ワーホリのリアル」...アジア出身者を意図的にターゲットに
  • 2
    「怖すぎる」「速く走って!」夜中に一人ランニングをする女性、異変を感じ、背後に「見えたモノ」にSNS震撼
  • 3
    眠らないと脳にゴミがたまる...「脳を守る」3つの習慣とは?
  • 4
    50歳を過ぎても運動を続けるためには?...「動ける体…
  • 5
    【動画あり】9月初旬に複数の小惑星が地球に接近...…
  • 6
    「生きられない」と生後数日で手放された2本脚のダ…
  • 7
    「あのホラー映画が現実に...」カヤック中の男性に接…
  • 8
    「よく眠る人が長生き」は本当なのか?...「睡眠障害…
  • 9
    首を制する者が、筋トレを制す...見た目もパフォーマ…
  • 10
    「見せびらかし...」ベッカム長男夫妻、家族とのヨッ…
  • 1
    「自律神経を強化し、脂肪燃焼を促進する」子供も大人も大好きな5つの食べ物
  • 2
    「4針ですかね、縫いました」日本の若者を食い物にする「豪ワーホリのリアル」...アジア出身者を意図的にターゲットに
  • 3
    「まさかの真犯人」にネット爆笑...大家から再三「果物泥棒」と疑われた女性が無実を証明した「証拠映像」が話題に
  • 4
    信じられない...「洗濯物を干しておいて」夫に頼んだ…
  • 5
    「レプトスピラ症」が大規模流行中...ヒトやペットに…
  • 6
    「あなた誰?」保育園から帰ってきた3歳の娘が「別人…
  • 7
    将来ADHDを発症する「幼少期の兆候」が明らかに?...…
  • 8
    プール後の20代女性の素肌に「無数の発疹」...ネット…
  • 9
    イラン人は原爆資料館で大泣きする...日本人が忘れた…
  • 10
    「死ぬほど怖い」「気づかず飛び込んでたら...」家の…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中