出生地主義制限の大統領令、米最高裁で弁論 地裁命令の範囲が焦点か

5月15日、米連邦最高裁は、米国で生まれた子どもに国籍を与える出生地主義制度を制限するトランプ大統領の大統領令について口頭弁論を開いた。写真はワシントンの連邦最高裁前で撮影(2025年 ロイター/Nathan Howard)
Andrew Chung John Kruzel Blake Brittain
[ワシントン 15日 ロイター] - 米連邦最高裁は15日、米国で生まれた子どもに国籍を与える出生地主義制度を制限するトランプ大統領の大統領令について口頭弁論を開いた。
大統領令を巡ってはワシントン、マサチューセッツ、メリーランドの各州の連邦地裁が全米で執行を差し止める仮処分命令を出したが、政権側は下級裁判所が全土で差し止め命令を出す能力を制限するよう主張している。
最高裁判事は6対3で保守派が多数派を占めるが、この日の弁論では大統領令を支持する判事はなく、一部のリベラル派は憲法と過去の最高裁判例に反しているとの見解を示した。3人の判事は憲法修正第14条に違反している可能性が高いと述べた。
トランプ氏は就任初日の1月20日、少なくとも片方の親が米市民か合法的な永住権保持者でない米国生まれの子どもには市民権を認めないよう、連邦機関に指示する大統領令に署名した。
民主党系の22の州や移民権利擁護団体などの原告団によると、大統領令が発効すれば、毎年15万人以上の新生児が市民権を得られないことになるという。