IEA、今年の石油需要見通し下方修正 貿易摩擦で
国際エネルギー機関(IEA)は15日公表した月報で、貿易摩擦の激化を理由に今年の世界の石油需要の伸びの予測を大幅に下方修正した。米カリフォルニア州ロングビーチで2022年3月撮影(2025年 ロイター/Mike Blake)
Alex Lawler
[ロンドン 15日 ロイター] - 国際エネルギー機関(IEA)は15日公表した月報で、貿易摩擦の激化を理由に今年の世界の石油需要の伸びの予測を大幅に下方修正した。
新たな予測は日量73万バレル増。先月時点では日量103万バレル増と予想していた。新たな予測は新型コロナウイルスによるパンデミック(世界的大流行)で需要が減退した2020年以来の低水準。パンデミックを除けば、19年(日量54万バレル)以来の低水準になる。
IEAは「4月初旬に貿易摩擦が突然、急激に激化し、世界経済の見通しが悪化したことを受けて、今年の石油需要の伸びの見通しを下方修正した」と表明。「下方修正の約半分は米国と中国で、残りの大部分は貿易依存度の高いアジア諸国で行われている」と述べた。
来年については、世界の石油需要の伸びがさらに鈍化し、日量69万バレル増になると予測した。
石油輸出国機構(OPEC)加盟国とロシアなどの非加盟国で構成する「OPECプラス」以外からの供給量については、25年は日量130万バレル増加すると予想。需要の伸びを大きく上回り、かなりの供給過多が発生する可能性があるとの見方を示した。
石油輸出国機構(OPEC)も14日公表した月報で、世界の石油需要の見通しを下方修正した。修正幅はIEAの方が大きかった。
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