ニュース速報
ワールド

韓国大統領「最後まで闘う」、野党は弾劾案再提出 14日採決へ

2024年12月12日(木)19時07分

韓国の尹錫悦大統領は12日、先週の戒厳令宣布について、民主主義を守るための合法的な措置だったとして正当性を主張した。写真は12月12日、ソウルで撮影(2024年 ロイター/Kim Hong-Ji)

[ソウル 12日 ロイター] - 「共に民主党」を中心とする韓国の野党6党は12日遅く、尹錫悦大統領の弾劾訴追案を国会に再提出した。採決は14日に行われる見通し。

7日夜に審議された1回目の弾劾訴追案は、与党「国民の力」議員の大半が投票に参加せず、成立しなかった。

現時点では、少なくとも7人の与党議員が2回目の弾劾案採決で賛成票を投じる見込みとなり、可決に必要な数にあと1人と迫った。

尹大統領は12日、国民向けにテレビ演説を行い、先週の戒厳令宣布について、民主主義を守るための合法的な措置だったとして正当性を主張し、野党を「反国家勢力」と非難したほか、北朝鮮が韓国の選挙をハッキングしたと述べた。

弾劾案の再採決を控え、尹氏は「最後まで闘う」と強調した。

尹氏は、国政をまひさせ法の支配を乱した「犯罪集団」が政府を乗っ取るのをいかなる犠牲を払ってでも阻止せねばならないと改めて主張し、戒厳令宣言を正当化した。

また、選挙管理委員会が昨年、北朝鮮のハッカー攻撃を受けたにもかかわらず調査やシステムの点検を拒否したことは、今年4月の総選挙の公正性に疑問を投げかけるに十分だと述べた。ただ、ハッキングについては証拠を挙げていない。

これに対し、国民の力の韓東勲代表は12日の党員集会で、尹氏が辞任の意向を見せておらず停職にすべきだとし、与党議員による弾劾賛成が唯一の道だと述べた。

「党の政策として弾劾案に賛成することを提案する。彼の演説は内乱を告白するのに等しかった」と語った。

ただ、与党内は分裂が続いており、一部議員はなお尹氏を支持している。

こうした中、与党は国会運営を取り仕切る院内代表に、尹氏に近い権性東議員を選出。権氏は「近く実施される可能性のある大統領選挙」の準備を進めると表明した。

ロイター
Copyright (C) 2024 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

あわせて読みたい
ニュース速報

ビジネス

利上げのタイミングは「難しい」、展望リポート踏まえ

ビジネス

米J&J、神経系治療薬企業イントラセルラーを買収へ

ワールド

スロバキア首相、ガス輸送巡り会談要請 ゼレンスキー

ビジネス

人員削減した英企業、4年ぶり高水準 4月の増税控え
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:中国の宇宙軍拡
特集:中国の宇宙軍拡
2025年1月14日号(1/ 7発売)

軍事・民間で宇宙覇権を狙う習近平政権。その静かな第一歩が南米チリから始まった

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    ティーバッグから有害物質が放出されている...研究者が警告【最新研究】
  • 2
    体の筋肉量が落ちにくくなる3つの条件は?...和田秀樹医師に聞く「老けない」最強の食事法
  • 3
    メーガン妃のNetflix新番組「ウィズ・ラブ、メーガン」がSNSで大反響...ヘンリー王子の「大惨敗ぶり」が際立つ結果に
  • 4
    睡眠時間60分の差で、脳の老化速度は2倍! カギは「…
  • 5
    大麻は脳にどのような影響を及ぼすのか...? 高濃度の…
  • 6
    ロシア軍高官の車を、ウクライナ自爆ドローンが急襲.…
  • 7
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
  • 8
    大腸がんの原因になる食品とは?...がん治療に革命を…
  • 9
    電子レンジは「バクテリアの温床」...どう掃除すれば…
  • 10
    アルミ缶収集だけではない...ホームレスの仕事・生き…
  • 1
    ティーバッグから有害物質が放出されている...研究者が警告【最新研究】
  • 2
    体の筋肉量が落ちにくくなる3つの条件は?...和田秀樹医師に聞く「老けない」最強の食事法
  • 3
    「涙止まらん...」トリミングの結果、何の動物か分からなくなったペットの姿にネット爆笑【2024年の衝撃記事 5選】
  • 4
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
  • 5
    「戦死証明書」を渡され...ロシアで戦死した北朝鮮兵…
  • 6
    中国でインフルエンザ様の未知のウイルス「HMPV」流…
  • 7
    ロシア兵を「射殺」...相次ぐ北朝鮮兵の誤射 退却も…
  • 8
    睡眠時間60分の差で、脳の老化速度は2倍! カギは「…
  • 9
    北朝鮮兵が「下品なビデオ」を見ている...ロシア軍参…
  • 10
    ロシア軍は戦死した北朝鮮兵の「顔を焼いている」──…
  • 1
    ティーバッグから有害物質が放出されている...研究者が警告【最新研究】
  • 2
    大腸がんの原因になる食品とは?...がん治療に革命をもたらす可能性も【最新研究】
  • 3
    体の筋肉量が落ちにくくなる3つの条件は?...和田秀樹医師に聞く「老けない」最強の食事法
  • 4
    夜空を切り裂いた「爆発の閃光」...「ロシア北方艦隊…
  • 5
    インスタント食品が招く「静かな健康危機」...研究が…
  • 6
    ロシア軍は戦死した北朝鮮兵の「顔を焼いている」──…
  • 7
    TBS日曜劇場が描かなかった坑夫生活...東京ドーム1.3…
  • 8
    「涙止まらん...」トリミングの結果、何の動物か分か…
  • 9
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
  • 10
    「戦死証明書」を渡され...ロシアで戦死した北朝鮮兵…
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中