ニュース速報
ワールド

訂正(13日配信記事)-中国・珠海の車暴走事件、当局が現場の献花など撤去 取材も制限

2024年11月14日(木)16時37分

中国南部の広東省珠海市で11日夜に自動車が暴走し、大勢の人をはねた事件を巡り、中国指導部は、負傷した人々の治療に「全力を尽くす」よう求めた。写真は11月12日、珠海市で撮影(2024年 ロイター/Tingshu Wang)

[珠海(中国) 13日 ロイター] - 中国南部の広東省珠海市で自動車が暴走して大勢の人をはねた事件で、当局は13日、事件現場に供えられていた花輪やろうそくなどを撤去した。

事件は11日夜、離婚調停に腹を立てた男がスポーツセンター周辺で運動していた人々に車で突っ込み、35人が死亡、43人が負傷した。[nL6N3MJ0IL]

事件を受け、中国のソーシャルメディア上では、政府の対応の遅さへの不満や、相次ぐ凶悪事件の国民の心理的な影響を懸念する声などが投稿されたが、当局にすぐに削除されている。

中国の短文投稿サイト運営、微博(ウェイボ)は、死者数に言及したハッシュタグを検閲した。

事件現場周辺は立ち入りが制限され、警備員も配置されたが、13日も生花を配達するバイク便の姿が複数あった。

当初、花を手向ける人々への取材が許されていたが、その後、数名の警備員が記者に対し、取材や献花に添えたメッセージの撮影をしないよう伝えてきた。

中国外務省は13日、事件に関するメディアの質問に答え、中国は世界で最も安全な国の一つであり、政府は人命と社会の安定を守るための措置を常に講じていると強調。

報道官は「われわれが把握している限り、今回の事件で外国人の死傷者はいない」とし、今後も外国人の安全を守っていくと語った。

国営の中国中央テレビ(CCTV)は、昼の30分間のニュースでこの事件に触れなかった。代わりに、習近平国家主席がアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議に出席するためペルーに向けて出発したことを伝え、放送時間の一部を珠海市で開催中の中国最大の航空ショーに割いた。

他の国営メディアも、習主席のペルー訪問のニュースを大きく扱った。

今回の事件と航空ショーとの関連を示す兆候はない。

地元政府系のメディアは12日夜、事件に関する地元当局者による会議についての記事を掲載。記事では「『地方の発展(訂正)を促進し安全を確保する』という政治的責任を真剣に担う」ことの重要性などが強調されていたが、事件の詳細や死者数への言及はなかった。

香港浸会大学で中国の検閲を研究しているローズ・ルーチー氏は、珠海での情報規制の仕方は中国で死者が多数出た他の事件と一致していると指摘。

「こうした事件は全て、情報をコントロールするために検閲される。検閲は普通のことだ。警察の声明が唯一の公式説明となり、人々がそれに異議を唱えたり、議論したりすることは許されない」と述べた。

「目的はパニックを抑えることだと思う。日本人学校に通う男子児童が刺殺された事件のような過去の事例と同様、模倣行為を防止しようとしている」と分析した。

珠海の事件に日本人が巻き込まれた形跡はないが、北京の日本大使館は12日、中国に住む日本人に対し、日本語で話すときは声を小さくし、夜間の外出を避けるよう求める文書を発表した。

新華社が12日夜に報じたところによると、習近平国家主席と李強首相は、地元当局に負傷者の治療と事件の調査を開始するよう指示した。[nL6N3MK03F]

*13日配信記事で、原文の訂正により12段落目の「党の発展」を「地方の発展」に修正します。

ロイター
Copyright (C) 2024 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

イランで大規模デモ、景気低迷への抗議で死者も トラ

ワールド

イエメン、分離派抑え込みに作戦実施 「平和的」と主

ワールド

シャンパンボトルの花火が原因か、40人死亡のスイス

ワールド

ベネズエラ大統領、米と関係改善意向 麻薬協議・投資
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:ISSUES 2026
特集:ISSUES 2026
2025年12月30日/2026年1月 6日号(12/23発売)

トランプの黄昏/中国AI/米なきアジア安全保障/核使用の現実味......世界の論点とキーパーソン

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    前進するロシア、忍び寄る限界...勝者に見えるプーチン、その先は袋小路か
  • 2
    中国軍の挑発に口を閉ざす韓国軍の危うい実態 「沈黙」は抑止かそれとも無能?
  • 3
    マイナ保険証があれば「おくすり手帳は要らない」と考える人が知らない事実
  • 4
    感じのいい人が「寒いですね」にチョイ足ししている…
  • 5
    【現地発レポート】米株市場は「個人投資家の黄金時…
  • 6
    なぜ筋肉を鍛えても速くならないのか?...スピードの…
  • 7
    ウクライナ水中ドローンが、ロシア潜水艦を爆破...「…
  • 8
    日本人の「休むと迷惑」という罪悪感は、義務教育が…
  • 9
    「腸が弱ると全身が乱れる」...消化器専門医がすすめ…
  • 10
    「断食」が細胞を救う...ファスティングの最大効果と…
  • 1
    ウクライナ水中ドローンが、ロシア潜水艦を爆破...「史上初の攻撃成功」の裏に、戦略的な「事前攻撃」
  • 2
    「腸が弱ると全身が乱れる」...消化器専門医がすすめる「腸を守る」3つの習慣とは?
  • 3
    前進するロシア、忍び寄る限界...勝者に見えるプーチン、その先は袋小路か
  • 4
    中国軍の挑発に口を閉ざす韓国軍の危うい実態 「沈黙…
  • 5
    マイナ保険証があれば「おくすり手帳は要らない」と…
  • 6
    アジアの豊かな国ランキング、日本は6位──IMF予測
  • 7
    『SHOGUN 将軍』の成功は嬉しいが...岡田准一が目指…
  • 8
    90代でも元気な人が「必ず動かしている体の部位」と…
  • 9
    なぜ筋肉を鍛えても速くならないのか?...スピードの…
  • 10
    【世界を変える「透視」技術】数学の天才が開発...癌…
  • 1
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 2
    90代でも元気な人が「必ず動かしている体の部位」とは何か...血管の名医がたどり着いた長生きの共通点
  • 3
    ウクライナ水中ドローンが、ロシア潜水艦を爆破...「史上初の攻撃成功」の裏に、戦略的な「事前攻撃」
  • 4
    アジアの豊かな国ランキング、日本は6位──IMF予測
  • 5
    人口減少が止まらない中国で、政府が少子化対策の切…
  • 6
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした…
  • 7
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価…
  • 8
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だ…
  • 9
    『SHOGUN 将軍』の成功は嬉しいが...岡田准一が目指…
  • 10
    「腸が弱ると全身が乱れる」...消化器専門医がすすめ…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中