ニュース速報
ワールド

シンガポール首相、与党トップをウォン副首相に移譲へ

2023年11月06日(月)10時48分

シンガポールのリー・シェンロン首相は5日、与党人民行動党(PAP)の結党70周年となる2024年11月までにトップをローレンス・ウォン副首相兼財務相に譲ると発表した。写真は、2023年10月30日にシンガポールで会見する同首相。(2023年 ロイター/HOW HWEE YOUNG/Pool via REUTERS)

Chen Lin

[シンガポール 5日 ロイター] - シンガポールのリー・シェンロン首相は5日、与党人民行動党(PAP)の結党70周年となる2024年11月までにトップをローレンス・ウォン副首相兼財務相に譲ると発表した。

シンガポールでは来年にも総選挙が行われる。PAPは1965年の独立以来政権を維持しており、ウォン氏は次期首相に就任するとみられている。

リー氏は2004年から首相を務め、昨年ウォン氏を後継者に選んだ。5日に開催された党大会で「次の総選挙の前にウォン氏に引き継ぐつもりだ」と述べた。

71歳のリー氏は70歳の誕生日を迎える前に党トップを移譲する予定だったが、新型コロナウイルスの大流行のために延期されていた。

ウォン氏(50)は政府の新型コロナ対策本部の共同責任者として移動制限、国境封鎖、接触者追跡などを実施。感染を食い止め死者を最小限に抑えたとして称賛された。

05年から08年までリー氏の首席秘書官を務めた。その後は国家開発相や教育相を歴任し、21年に財務相、22年に副首相に就任した。また中央銀行であるシンガポール金融管理局の会長で、政府系ファンドGICの副会長でもある。

次期総選挙前の権力移譲は大胆な行動との声が一部で聞かれるが、大半のアナリストは政治の安定に影響はないとみている。

南洋理工大学の政治学者ワリード・ジャンブラット・アブドゥラ氏は「リー氏が総選挙後に権力を譲り、ウォン氏に有権者と信頼関係を築く時間を与える方がPAPにとってより安全策だ」と指摘した。

ただリー氏は何らかの形に政権に関与するとみられ、前倒しが安定に影響することはないだろうと語った。

ロイター
Copyright (C) 2023 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

リトアニア首都の空港、気球飛来情報で一時閉鎖 計約

ビジネス

ビットコイン史上最高値更新、12万5000ドルを突

ワールド

ロ、ウクライナに無人機・ミサイル攻撃 ポーランド機

ワールド

トランプ氏のポートランド派兵一時差し止め、オレゴン
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:2025年の大谷翔平 二刀流の奇跡
特集:2025年の大谷翔平 二刀流の奇跡
2025年10月 7日号(9/30発売)

投手復帰のシーズンもプレーオフに進出。二刀流の復活劇をアメリカはどう見たか

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    増加する「子どもを外注」する親たち...ネオ・ネグレクトとは何か? 多い地域はどこか?
  • 2
    赤ちゃんの「耳」に不思議な特徴...写真をSNS投稿すると「腎臓の検査を」のコメントが、一体なぜ?
  • 3
    更年期を快適に──筋トレで得られる心と体の4大効果
  • 4
    一体なぜ? 大谷翔平は台湾ファンに「高校生」と呼ば…
  • 5
    筋肉が育つだけでは動けない...「爆発力」を支える「…
  • 6
    「美しい」けど「気まずい」...ウィリアム皇太子夫妻…
  • 7
    メーガン妃とキャサリン妃の「オーラの違い」が話題…
  • 8
    イエスとはいったい何者だったのか?...人類史を二分…
  • 9
    墓場に現れる「青い火の玉」正体が遂に判明...「鬼火…
  • 10
    「大谷翔平の唯一の欠点は...」ドジャース・ロバーツ…
  • 1
    「大谷翔平の唯一の欠点は...」ドジャース・ロバーツ監督が明かすプレーオフ戦略、監督の意外な「日本的な一面」とは?
  • 2
    「日本の高齢化率は世界2位」→ダントツの1位は超意外な国だった!
  • 3
    バフェット指数が異常値──アメリカ株に「数世代で最悪」の下落リスク
  • 4
    iPhone 17は「すぐ傷つく」...世界中で相次ぐ苦情、A…
  • 5
    ウクライナにドローンを送り込むのはロシアだけでは…
  • 6
    増加する「子どもを外注」する親たち...ネオ・ネグレ…
  • 7
    赤ちゃんの「耳」に不思議な特徴...写真をSNS投稿す…
  • 8
    更年期を快適に──筋トレで得られる心と体の4大効果
  • 9
    MITの地球化学者の研究により「地球初の動物」が判明…
  • 10
    「元は恐竜だったのにね...」行動が「完全に人間化」…
  • 1
    「4針ですかね、縫いました」日本の若者を食い物にする「豪ワーホリのリアル」...アジア出身者を意図的にターゲットに
  • 2
    【クイズ】世界で唯一「蚊のいない国」はどこ?
  • 3
    「最悪」「悪夢だ」 飛行機内で眠っていた女性が撮影...目覚めた時の「信じがたい光景」に驚きの声
  • 4
    「中野サンプラザ再開発」の計画断念、「考えてみれ…
  • 5
    「大谷翔平の唯一の欠点は...」ドジャース・ロバーツ…
  • 6
    カミラ王妃のキャサリン妃への「いら立ち」が話題に.…
  • 7
    【クイズ】次のうち、飲むと「蚊に刺されやすくなる…
  • 8
    「我々は嘘をつかれている...」UFOらしき物体にミサ…
  • 9
    科学が解き明かす「長寿の謎」...100歳まで生きる人…
  • 10
    「二度見した」「小石のよう...」マッチョ俳優ドウェ…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中