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タイ経済、コロナ危機前への回復に2年は必要=中銀新総裁

2020年10月20日(火)18時02分

[バンコク 20日 ロイター] - タイ中央銀行のセタプット新総裁は20日、タイ経済はコロナ禍による深刻なショックに直面していると述べ、危機前の水準に戻るまでに少なくとも2年は必要との見方を示した。

セタプット氏は就任後初の記者会見で、経済の問題は解決できるが「特効薬」はないため時間がかかると述べた。

「ショックは非常に深刻で特に観光業で顕著だ」と指摘。外国人旅行者の数が前年の4000万人から今年は670万人へ急減すると見込まれる中、観光業では国内総生産(GDP)の10%に相当する1兆6000億バーツ(510億ドル)が失われる恐れがあるとの見方を示した。

しかし経常収支は高水準で、どのようなショックも乗り越えることができると述べた。来年第2・四半期にはある程度の経済成長が期待できると語った。

タイ中銀は金融政策と流動性が回復の妨げにならないようにすると述べた。

同国の政策金利は過去最低の0.50%と東南アジアで最も低く、引き下げの余地は限られると指摘し「財政政策など他の措置が中心的な役割を果たす必要があると主張した。

セタプット氏は必要に応じて一段の措置を検討すると表明。「全ての妥当な選択肢」が対象になると述べ、非伝統的な政策を排除しない意向を示した。その一方で、早急に導入する考えはないことを明らかにした。

またバーツの上昇を緩和するために資本の流出を促すとした。

連日の反政府デモについては、信頼感や消費、観光に影響が出る可能性があるとして中銀として注視する考えを示した。

ロイター
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