ニュース速報

ワールド

ノーベル物理学賞の梶田氏「宇宙の謎解きに若い人は参加を」

2015年10月07日(水)10時47分

 10月6日、今年のノーベル物理学賞は素粒子ニュートリノに質量があることを発見した東京大学宇宙線研究所所長の梶田隆章氏とカナダのアーサー・B・マクドナルド氏が受賞した(2015年 ロイター/Fredrik Sandberg/TT News Agency)

[ストックホルム/ロンドン 6日 ロイター] - スウェーデン王立科学アカデミーは6日、2015年のノーベル物理学賞に、東京大学宇宙線研究所所長の梶田隆章氏とカナダのアーサー・B・マクドナルド氏に授与すると発表した。

梶田氏らは、質量がないと考えられていた素粒子ニュートリノに質量があることや「ニュートリノ振動」という現象を実証した。

王立科学アカデミーは「この発見が物質の最も内側の動きについての理解を変えた」と賞賛した。

梶田氏は記者会見で「本当に光栄に思う」と受賞の喜びを語った。「大きい問題というのは1日とか2日の短い研究で解決できるものではなく、たくさんの人が興味をもって、長い年月をかけて解き明かしていくというもの。そのような宇宙の謎解きに、若い人にはぜひ参加してほしい」と述べた。

受賞決定後、安倍晋三首相は同氏に電話で「2日連続でノーベル賞受賞。日本中が今、喜びに沸き立っている」と語った。同氏の研究は「それまでの物理学の定説を覆す画期的なもので、世界中が驚いたと聞いている。まさに日本の基礎研究の底力を示すものだ。本当に誇りに思う」と祝意を表した。

物理学賞は今年のノーベル賞2つ目の発表。

前日の生理学・医学賞では、寄生虫による熱帯病の治療薬を開発した大村智・北里大学特別栄誉教授が受賞しており、日本人が連日の受賞に輝いた。日本人のノーベル賞受賞はこれで24人目。物理学賞の受賞は、昨年に青色発光ダイオード(LED)開発で受賞した赤崎勇、天野浩、中村修二の3氏に続いて11人目となる。

*写真と内容を追加して再送します。

ロイター
Copyright (C) 2015 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

岸田首相、「グローバルサウスと連携」 外遊の成果強

ビジネス

アングル:閑古鳥鳴く香港の商店、観光客減と本土への

ビジネス

アングル:中国減速、高級大手は内製化 岐路に立つイ

ワールド

米、原発燃料で「脱ロシア依存」 国内生産体制整備へ
MAGAZINE
特集:世界が愛した日本アニメ30
特集:世界が愛した日本アニメ30
2024年4月30日/2024年5月 7日号(4/23発売)

『AKIRA』からジブリ、『鬼滅の刃』まで、日本アニメは今や世界でより消費されている

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    外国人労働者がいないと経済が回らないのだが...... 今も厳しい差別、雇用許可制20年目の韓国

  • 2

    ロシア兵がウクライナ「ATACMS」ミサイルの直撃を受ける瞬間の映像...クラスター弾炸裂で「逃げ場なし」の恐怖

  • 3

    こ、この顔は...コートニー・カーダシアンの息子、元カレ「超スター歌手」に激似で「もしや父親は...」と話題に

  • 4

    翼が生えた「天使」のような形に、トゲだらけの体表.…

  • 5

    どの顔が好き? 「パートナーに求める性格」が分かる…

  • 6

    単独取材:岸田首相、本誌に語ったGDP「4位転落」日…

  • 7

    常圧で、種結晶を使わず、短時間で作りだせる...韓国…

  • 8

    ウクライナがモスクワの空港で「放火」工作を実行す…

  • 9

    屋外に集合したロシア兵たちを「狙い撃ち」...HIMARS…

  • 10

    マフィアに狙われたオランダ王女が「スペイン極秘留…

  • 1

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 2

    どの顔が好き? 「パートナーに求める性格」が分かる4択クイズ

  • 3

    一瞬の閃光と爆音...ウクライナ戦闘機、ロシア軍ドローンを「空対空ミサイルで撃墜」の瞬間映像が拡散

  • 4

    ロシア兵がウクライナ「ATACMS」ミサイルの直撃を受…

  • 5

    「2枚の衛星画像」が伝える、ドローン攻撃を受けたロ…

  • 6

    屋外に集合したロシア兵たちを「狙い撃ち」...HIMARS…

  • 7

    常圧で、種結晶を使わず、短時間で作りだせる...韓国…

  • 8

    AIパイロットvs人間パイロット...F-16戦闘機で行われ…

  • 9

    ロシアの大規模ウクライナ空爆にNATO軍戦闘機が一斉…

  • 10

    メーガン妃の「限定いちごジャム」を贈られた「問題…

  • 1

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 2

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 3

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 4

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 5

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 6

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価…

  • 7

    一瞬の閃光と爆音...ウクライナ戦闘機、ロシア軍ドロ…

  • 8

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた…

  • 9

    NASAが月面を横切るUFOのような写真を公開、その正体…

  • 10

    「世界中の全機が要注意」...ボーイング内部告発者の…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中