都区部CPI、12月は+2.3%に大幅鈍化 エネルギーが下落に転じる
都内でイルミネーションを撮影する人。12月25日撮影。REUTERS/Kim Kyung-Hoon
Takahiko Wada
[東京 26日 ロイター] - 総務省が26日に発表した12月の東京都区部消費者物価指数(生鮮食品を除く総合指数、コアCPI)は、前年比2.3%上昇した。伸び率は前月の2.8%から大きく縮小した。エネルギー価格が前年比下落に転じたほか、生鮮食品を除く食料の伸び率縮小が続いた。
コアCPIの伸び率は、ロイターがまとめた民間予測の2.5%を下回った。
エネルギー価格は3.4%下落した。前月は2.6%上昇だった。電気代は2.5%下落、都市ガス代は4.7%下落。前年12月には政府の「酷暑乗り切り緊急支援」の終了で伸び率が大幅に加速しており、その反動が出た。ガソリンは6.4%下落と下落率が拡大した。ガソリン暫定税率の廃止に向け、政府の補助金が段階的に拡充された影響が出た。
生鮮食品を除く食料は6.2%上昇と、前月の6.5%上昇を下回った。コメ類は34.7%上昇と、前月の37.9%上昇より鈍化した。
コア対象522品目のうち、上昇は333、下落は126、変わらずが62、非調査対象が1となった。上昇品目は前月の346を下回った。
12月の総合指数は前年比2.0%上昇し、伸びは前月の2.7%を大きく下回った。2024年10月以来の低い伸び率。生鮮食品及びエネルギーを除く総合指数(コアコアCPI)は2.6%上昇し、伸びは前月の2.8%から縮小した。
併せて発表された2025年平均では、コアCPIが前年比2.7%上昇で、24年の2.1%を上回った。コアコアCPIも2.7%上昇で、こちらも24年の2.1%上昇から加速した。
<全国コアCPI、来年7月にかけ2%を明確に下回る可能性>
12月都区部CPIについて、岡三証券の中山興チーフエコノミストは「予想通り」とコメントした。ただ、コメ類の前年比上昇率は予想していたよりも鈍化のペースが弱いと述べた。12月は1―2割程度の上昇に落ち着くとみていたという。
今回の都区部CPIでは、ガソリン暫定税率の廃止に向けた補助金拡充の影響が見られた。中山氏は全国CPIについて、前年の高い伸びの反動やガソリン暫定税率廃止の影響で来年4―7月ごろは1.7―1.8%程度まで伸び率が縮小するとみている。その一方で、コアコアは来年度、2%程度の伸びになると予想する。
日銀は来年も「しっかりとした賃上げ」が続く可能性が高いとみている。中山氏はしっかりとした賃上げは家計の可処分所得の改善につながり、財やサービスの需給が引き締まるため「物価の押し上げ要因になる」と話す。





