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インフレ上振れにECBは留意を、金利変更は不要=スロバキア中銀総裁

2025年12月08日(月)20時58分

ECB本部、2025年3月6日撮影 REUTERS/Jana Rodenbusch/File Photo

Balazs Koranyi

[フランクフルト 8日 ロイター] - 欧州中央銀行(ECB)理事会メンバーのカジミール・スロバキア中銀総裁は、今後数カ月は金利を変更する理由はなく、賃金の上昇鈍化やユーロ高の影響がそれほど大きくない可能性など、インフレ上振れリスクに留意すべきとの見解を示した。

総裁はロイターのインタビューで「今後数カ月の間に(金利を)変更する理由はない 。間違いなく12月はなく、その後どうなるかだ」と述べた。

経済と物価はおおむね予想通りに推移しているが、一部で上振れのサプライズもあり注意が必要と指摘。「労働市場は依然タイトで、成長率はやや改善し、賃金鈍化は予想よりやや緩やかだ」と語った。

インフレリスクはおおむね均衡しているが、上振れリスクへの「警戒」がより重要になっていると述べた。

この発言でECBの利下げは終了との市場の見方が強まりそうだ。成長率と物価のデータがともに上振れしたため、市場は来年も追加緩和の可能性はほぼないと見ている。

対ドルでのユーロ高がディスインフレにつながり、ユーロ圏の物価上昇率が目標を下回るリスクを高めているとの見方もある。

しかしカジミール総裁は、為替レートの影響は一部の予想よりも小さい可能性があり、エネルギーのベース効果によるインフレ変動にはECBは反応すべきではないとの見方を示した。

その上で「為替レートの財インフレへの影響は予想ほど強くない可能性もあり引き続き注視する」と指摘。「企業は最終価格に為替相場の動向を完全に反映していないかもしれない」と述べた。

来年のインフレ率は一時的に2%を下回る可能性があり、下振れリスクを懸念する政策立案者もいる。しかしカジミール氏は、労働市場は逼迫し、需給ギャップは解消されて成長率は潜在的な水準にあり、賃金鈍化の進展が遅いため、インフレ率が低すぎる水準となる可能性は低いと反論。

「予想される下振れを全く心配していない。小さな乖離に反応する必要はなく、特にエネルギー価格によるものであればなおさらだ」と述べた。

また「金融政策には確実性が必要で、インフレ率の小さな変動への過剰な反応は、かえって不確実性を高めることになる」との見方を示した。

ロイター
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