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NY外為市場=円急伸、財務相が介入示唆 NY連銀総裁発言で米利下げ観測再燃

2025年11月22日(土)07時04分

ポンドと米ドルの紙幣。2020年1月6日撮影。REUTERS/Dado Ruvic

[ニューヨーク 21日 ロイター] - ニューヨーク外為市場で、日本当局が円安を食い止めるため口先介入を強化していることを背景に、円が対ドルで上昇した。

終盤の取引で円は対ドルで0.63%高の156.549円。前日の取引では約10カ月ぶりの安値となる157.90円を付けていたが、 片山さつき財務相が21日の閣議後に報道陣に対し、過度な為替変動や無秩序な動きには必要に応じて適切に対応するとし、為替介入に関しても「当然、考えられる」と述べたことを受け、円は急伸。片山財務相が介入の選択肢に言及したのは就任後、初めてだった。

円は対ユーロでこのところ1999年の単一通貨ユーロ導入以来の安値近辺で推移していたが、この日の取引では円は対ユーロで0.83%高の180.01円と、持ち直した。

ただ、BNYマーケッツの米州マクロ戦略責任者ジョン・ヴェリス氏は、日本当局による口先介入はやや信頼性を失いつつあると指摘。日銀が年内、もしくは来年初めに利上げに踏み切るとの観測が続いていることも意識されていると述べた。

米連邦準備理事会(FRB)の金融政策を巡っては、ニューヨーク連銀のウィリアムズ総裁が現行政策は足元で「緩やかに引き締め的」との見方を示し、FRBはインフレ目標をリスクにさらすことなく「近い将来」に利下げを実施できると発言。ニューヨーク連銀総裁はFRBが政策を決定する連邦公開市場委員会(FOMC)で常に投票権を持っているため、ウィリアムズ氏の発言を受け12月9─10日の次回FOMCで追加利下げが決定されるとの観測が急速に高まった。

ストーンXのシニア・テクニカルストラテジスト、マイケル・ブトロス氏は「ウィリアムズ総裁の発言には大きな影響力がある」とし、同総裁の発言でドル相場が動いたと述べた。

CMEフェドウオッチによると、FRBが12月の会合で利下げを決定する確率は71%。前日の39%から大きく上昇した。

終盤の取引で主要通貨に対するドル指数は100.19。一時は5月下旬以来の高水準を付けていた。

ユーロ/ドルは0.16%安の1.1511ドル。

暗号資産(仮想通貨)のビットコインは3.52%安の8万4146.2ドル。一時は7カ月ぶりの安値を付けた。

ドル/円 NY終値 156.39/156.40

始値 156.85

高値 156.96

安値 156.21

ユーロ/ドル NY終値 1.1511/1.1514

始値 1.1505

高値 1.1526

安値 1.1492

ロイター
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