中国の新空母「福建」の力は如何ほどか? 空母3隻体制で世界の海洋秩序を塗り替えられる?
China’s Carrier Challenge
初の試験航海に出た中国の空母「福建」(2024年5月) XINHUA/AFLO
<中国の3隻目の空母「福建」の就役は、海洋秩序を主導し国際的な序列を高めたいという中国の強い意思の表れだ>
習近平(シー・チンピン)国家主席は11月5日、中国の新しい空母「福建」の就役を大々的に披露した。中国国営メディアはこの空母の誕生を、中国海軍現代化計画の重要な節目であり、海洋大国を目指す中国の野望を大きく進展させたと称賛した。
中国の海洋戦略を考えたとき、新空母が海洋秩序の安全保障と主導権に与える長期的な影響は、確かに重大かつ永続的なものだ。中国は空母を3隻所有することとなり、さらに4隻目の建造を始めていることを示す衛星画像もある。
これにより、中国が重要と見なす遠隔地に軍艦を予防的に配備する能力は高まった。自国の戦闘部隊が展開する場所の空域の制圧が可能になり、より遠方の紛争地域へ航空戦力を投射することもできる。福建には空中早期警戒機や、より多くの燃料と武器を搭載可能な戦闘機など、大型で特殊な航空機を配備できるため、作戦の選択肢が増大する。
これで中国は米英仏に次いで、空母戦闘群を独自に運用できる空母強国の仲間入りを果たした。ただし、この中でもアメリカは空母艦隊の規模や技術力、作戦経験などで圧倒的な優位を誇っている。
空母は、広大な外洋での国家間の対決における重要な海軍資産だ。同時に、特に制空権を通じた海上の戦闘領域支配の上でも、沿岸地域への戦力投射においても重要な役割を担っている。
福建が世界のパワーバランスを中国に有利な方向に劇的に変えるわけではない。それでも対地攻撃能力の強化により、中国は作戦手段を拡大し、より柔軟かつ積極的な海軍戦略を取ることが可能になった。
世界の海洋秩序を主導
第2次大戦以降、空母は戦艦に代わって艦隊の「主力艦」となった。主力艦には象徴としての重要な意味がある。それらは国家が艦艇を調達・維持・運用するための資源を動員できる能力と、外洋の海軍力として機能する意思を示している。
この観点から、中国の空母計画は自らの海軍力と、外に向けての力、すなわち国際的序列における中国の地位の向上を反映していると言える。
それは、より広範な中国の海洋戦略の一部として理解する必要もある。
ロシアやイランなど他の専制国家と異なり、中国の権力基盤は国際貿易、ひいては航行の自由に大きく依存している。従って、中国は世界の海洋秩序を混乱させるつもりはない。秩序を主導し、新たな世界支配のサイクルを起こしたいのだ。
そのために中国は民間の海洋勢力の強化にも取り組んでいる。これには堅調な造船業や、成長を続ける中国籍の大規模商船隊が含まれる。
南シナ海では中国海警局と海軍に支援された漁船団を積極的に活用し、経済的または戦略的に重要な係争海域に一定の支配権を確保している。
福建の就役は中国海軍にとって、単なる技術的な節目ではない。意思の表明であり、海洋領域を思うままにする中国の能力と意欲の高まりを裏付けるものだ。
それは世界の海洋秩序に貢献するだけでなく、主導するという中国の野心を反映している。
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Basil Germond, Professor of International Security, School of Global Affairs, Lancaster University
This article is republished from The Conversation under a Creative Commons license. Read the original article.
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