ニュース速報
ビジネス

NY市場サマリー(15日)S&P500反発、ドルが対ユーロ・円で下落、利回り上昇

2025年10月16日(木)06時59分

<為替> 終盤のニューヨーク外為市場では、米中貿易摩擦の再燃を受けて市場心理が悪化する中、ドルがユーロ、円に対して下落した。

ドルは対円で0.39%安の151.24円。

ユーロは0.35%高の1.1646ドルとなった。フランスのルコルニュ首相は14日、年金制度改革を2027年に予定される大統領選後まで停止すると発表した。

ドルは対スイスフランで0.49%安の0.797フランとなった。

この日は米中貿易摩擦を巡る米当局者の発言が相次いだ。ベセント財務長官は米国は中国との対立激化もデカップリング(分断)を望んでいないとしつつも、中国が信頼できない供給国であることが判明すれば、行動を起こさざるを得なくなるだろうと述べた。グリア米通商代表部(USTR)代表は中国によるレアアース(希土類)輸出規制の大幅拡大は、過去6カ月間にわたる米中通商合意を完全に反故(ほご)にするものとの見解を示した。

NY外為市場:[USD/J]

<債券> 米金融・債券市場では、国債利回りが不安定な取引の中、上昇した。米中貿易摩擦を巡る懸念が高まる中、市場は当局者の発言に注視している。

利回りは取引序盤、グリア米通商代表部(USTR)代表の中国のレアアース(希土類)輸出規制を巡る発言を受けて低下し、一時、数週間ぶりの低水準を付けたものの、その後、上昇に転じた。

アクション・エコノミクス(サンフランシスコ)のグローバル債券担当マネジング・ディレクター、キム・ルパート氏は「利回りは2年債で3.50%、10年債で4%という重要な水準を下回って推移できなかった」と指摘。市場は行き過ぎ感から調整局面に入ったとの見方を示した。

指標となる10年国債利回りは2.2ベーシスポイント(bp)上昇の4.044%。一時、3.999%まで低下していた。

2年債利回りは2.5bp上昇の3.504%。一時、 3.466%を付けた。

米金融・債券市場:[US/BJ]

<株式> 米国株式市場はS&P総合500種が反発して取引を終えた。米中貿易を巡る緊張の高まりが引き続き注視される中、モルガン・スタンレーとバンク・オブ・アメリカが好決算を受けて上昇した。

モルガン・スタンレーは4.7%高で上場来高値を更新、バンク・オブ・アメリカは4.4%高。いずれも第3・四半期の利益が市場予想を上回った。S&P500銀行株指数は1.2%上昇し、3週間超ぶりの3日続伸となった。

今週の銀行決算は国内主要企業の堅調さを示唆するとともに、政府機関閉鎖でマクロ経済指標の発表が延期される中、経済の健全性に関するヒントも提供している。

グローバルトのシニアポートフォリオマネジャー、トーマス・マーティン氏は「人々は支出しており、消費者は好調のようだというのが銀行決算から得られたメッセージの一つだ」とし、「雇用は急減しているわけではない。インフレと雇用の双方が基本的に妥当な範囲内にある」と述べた。

米連邦準備理事会(FRB)が15日に公表した地区連銀経済報告(ベージュブック)によると、雇用は概ね安定していたものの、人員削減した企業が増え、労働市場の軟化を巡る懸念を強めるものだった。

米国株式市場:[.NJP]

<金先物> ニューヨーク商品取引所(COMEX)の金塊先物相場は、安全資産に対する旺盛な買い意欲に支えられ、4営業日続伸した。

中国によるレアアース(希土類)輸出の規制強化をきっかけに、米中貿易摩擦が再燃している。トランプ米大統領は14日、中国が米国産大豆の購入を停止していることに反発し、同国の食用油などの輸入停止を示唆。グリア米通商代表部(USTR)代表も同日、11月1日から100%の対中追加関税を発動する方針を改めて表明した。 また、米上院は14日、与党共和党が主導するつなぎ予算案を再び否決。医療関連予算を巡る与野党の溝は依然として埋まらず、連邦政府機関の一部閉鎖は3週目に入った。これらが安全資産としての金買いを支援し、相場はじりじりと上昇。未明には一時4235ドル付近の高値を付けた。また、14日のパウエル連邦準備理事会(FRB)議長の講演を受け、今月28─29日の連邦公開市場委員会(FOMC)で追加利下げが行われるとの観測も、利回りを生まない金の強材料となっている。

金相場は速いペースで上昇を続けており、市場では短期的な調整を挟みつつ、5000ドルの大台を目指すとの見方も浮上している。

NY貴金属:[GOL/XJ]

<米原油先物> ニューヨーク商業取引所(NYMEX)の原油先物相場は、米中対立激化への懸念や供給過剰への警戒感が根強い中、続落した。

先週の中国によるレアアース(希土類)輸出規制強化策の発表を受け、トランプ米大統領は11月1日から中国製品に100%の追加関税を課す意向を表明した。貿易を巡る米中対立激化を警戒して、投資家のリスク回避姿勢が強まっている。この日は前日に約5カ 月ぶりの安値を更新した後を受けた買いに一時59ドル台に浮上。ただ、リスク警戒感は根強く、高値圏で利益確定の売りが出てマイナスに転じた。

世界的な供給過剰予想もなお相場を下押しした。国際エネルギー機関(IEA)は14日公表した月報で、世界石油市場が来年に日量400万バレルの供給過剰に陥ると予想し た。石油輸出国機構(OPEC)加盟・非加盟の産油国で構成する「OPECプラス」などの供給が増える一方、需要が引き続き低迷するとの見方を示している。 

NYMEXエネルギー:[CR/USJ]

ドル/円 NY終値 151.04/151.06

始値 151.36

高値 151.73

安値 151.04

ユーロ/ドル NY終値 1.1646/1.1649

始値 1.1624

高値 1.1647

安値 1.1611

米東部時間

30年債(指標銘柄) 17時05分 102*03.00 4.6196%

前営業日終値 102*00.50 4.6240%

10年債(指標銘柄) 17時05分 101*25.00 4.0282%

前営業日終値 101*26.50 4.0220%

5年債(指標銘柄) 17時05分 100*01.00 3.6178%

前営業日終値 100*03.25 3.6020%

2年債(指標銘柄) 17時05分 100*00.13 3.4973%

前営業日終値 100*01.25 3.4790%

終値 前日比 %

ダウ工業株30種 46253.31 -17.15 -0.04

前営業日終値 46270.46

ナスダック総合 22670.08 +148.38 +0.66

前営業日終値 22521.70

S&P総合500種 6671.06 +26.75 +0.40

前営業日終値 6644.31

COMEX金 12月限 4201.6 +38.2

前営業日終値 4163.4

COMEX銀 12月限 5137.8 +75.6

前営業日終値 5062.2

北海ブレント 12月限 61.91 ‐0.48

前営業日終値 62.39

米WTI先物 11月限 58.27 ‐0.43

前営業日終値 58.70

CRB商品指数 293.6140 ‐0.8986

前営業日終値 294.5126

ロイター
Copyright (C) 2025 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

トランプ米政権、日本のロシア産エネ輸入停止を期待=

ワールド

加藤財務相、米財務長官と会談 為替に関する共同声明

ビジネス

アップル、インドに税法改正働きかけ 成長阻害リスク

ビジネス

現代自、インドに50億ドル投資 生産拠点拡大で成長
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:日本人と参政党
特集:日本人と参政党
2025年10月21日号(10/15発売)

怒れる日本が生んだ「日本人ファースト」と参政党現象。その源泉にルポと神谷代表インタビューで迫る

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    まるで『トップガン』...わずか10mの至近戦、東シナ海で「中国J-16」 vs 「ステルス機」
  • 2
    フィリピンで相次ぐ大地震...日本ではあまり報道されない、被害の状況と実態
  • 3
    「欧州最大の企業」がデンマークで生まれたワケ...奇跡の成長をもたらしたフレキシキュリティーとは
  • 4
    「心の知能指数(EQ)」とは何か...「EQが高い人」に…
  • 5
    イーロン・マスク、新構想「Macrohard」でマイクロソ…
  • 6
    【クイズ】アメリカで最も「死亡者」が多く、「給与…
  • 7
    お腹の脂肪を減らす「8つのヒント」とは?...食事以…
  • 8
    「中国に待ち伏せされた!」レアアース規制にトラン…
  • 9
    【クイズ】サッカー男子日本代表...FIFAランキングの…
  • 10
    筋肉が目覚める「6つの動作」とは?...スピードを制…
  • 1
    かばんの中身を見れば一発でわかる!「認知症になりやすい人」が持ち歩く5つのアイテム
  • 2
    悲しみで8年間「羽をむしり続けた」オウム...新たな飼い主との「イケイケなダンス」姿に涙と感動の声
  • 3
    お腹の脂肪を減らす「8つのヒント」とは?...食事以外の「2つの隠れた要因」が代謝を狂わせていた
  • 4
    【クイズ】日本人が唯一「受賞していない」ノーベル…
  • 5
    中国人が便利な「調理済み食品」を嫌うトホホな理由…
  • 6
    ベゾス妻 vs C・ロナウド婚約者、バチバチ「指輪対決…
  • 7
    まるで『トップガン』...わずか10mの至近戦、東シナ…
  • 8
    フィリピンで相次ぐ大地震...日本ではあまり報道され…
  • 9
    時代に逆行するトランプのエネルギー政策が、アメリ…
  • 10
    「中国のビットコイン女王」が英国で有罪...押収され…
  • 1
    かばんの中身を見れば一発でわかる!「認知症になりやすい人」が持ち歩く5つのアイテム
  • 2
    「大谷翔平の唯一の欠点は...」ドジャース・ロバーツ監督が明かすプレーオフ戦略、監督の意外な「日本的な一面」とは?
  • 3
    カミラ王妃のキャサリン妃への「いら立ち」が話題に...「少々、お控えくださって?」
  • 4
    増加する「子どもを外注」する親たち...ネオ・ネグレ…
  • 5
    悲しみで8年間「羽をむしり続けた」オウム...新たな…
  • 6
    バフェット指数が異常値──アメリカ株に「数世代で最…
  • 7
    「日本の高齢化率は世界2位」→ダントツの1位は超意外…
  • 8
    お腹の脂肪を減らす「8つのヒント」とは?...食事以…
  • 9
    数千円で買った中古PCが「宝箱」だった...起動して分…
  • 10
    【クイズ】日本人が唯一「受賞していない」ノーベル…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中