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アングル:大手投資銀、円買い推奨を撤回 高市氏勝利受け

2025年10月07日(火)07時10分

10月6日、 複数の大手銀行の間で、円の強気ポジション推奨を取り下げる動きが出ている。 都内の為替ボード前で同日撮影(2025年 ロイター/Androniki Christodoulou)

Alun John Amanda Cooper

[ロンドン 6日 ロイター] - 複数の大手銀行の間で、円の強気ポジション推奨を取り下げる動きが出ている。4日の自民党総裁選での高市氏当選を受け、市場ではすでに金融緩和や財政拡張的な政策への思惑に基づく「高市トレード」が再開。週明けの外国為替市場では円安が進行し、対ドルで150円の節目を突破、1日としては5カ月ぶりの大幅な下げとなる見通しとなった。

米連邦準備理事会(FRB)の利下げ路線と、日銀の段階的利上げを織り込む市場やアナリストは、円が今年反発すると見ていたものの、高市氏の当選を受け、円高を見込んだポジションの推奨を撤回した。

ドイツ銀行のグローバル為替調査責任者、ジョージ・サラベロス氏は顧客向けリポートで、(円を)ロングにしていたが現在はポジションを解消しているとし、「高市氏の予想外の勝利を受け、日本の政策の優先順位や(日銀の)利上げサイクルのタイミングを巡る不確実性が過度に高まった」と述べた。  

ゴールドマンは、日銀が今月開く金融政策決定会合での利上げ観測後退を受け、対円のドル売り推奨を中止するとした。

LSEGのデータによると、今月会合での日銀の利上げ確率は約25%と、先週末の約60%から大幅に低下している。

米シティグループのトレーディングデスクは6日付のメモで、ヘッジファンドなどレバレッジ比率の高い投資家の間で円売りが優勢となっており、出来高は直近平均の3倍超に上っていると述べた。

同時に、円高を見込んだオプション取引の大規模な巻き戻しが見られた一方で、円の買い手として銀行や企業の買い手が現れていると指摘。150円を大きく超える動きは予想していないとの見方も示した。

ロイター
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