東証がグロース市場の上場維持基準見直し、5年以内に時価総額100億円以上

9月26日、東京証券取引所はグロース市場の上場維持基準を上場5年経過後に時価総額100億円以上と見直すと発表した。写真は1月、東京証券取引所で撮影(2025年 ロイター/Issei Kato)
Noriyuki Hirata
[東京 26日 ロイター] - 東京証券取引所は26日、グロース市場の上場維持基準を上場5年経過後に時価総額100億円以上と見直すと発表した。上場会社に対し、機関投資家の投資対象となる規模への早期の成長を促すとしている。
現行は上場10年経過後に時価総額40億円以上となっており、これより期間を短縮し、時価総額の水準を引き上げる。2030年3月1日以降、最初に到来する事業年度末から適用する。
ニッセイ基礎研究所の井出真吾チーフ株式ストラテジストは「ハードルを上げることで、少数精鋭に絞られていくだろう」との見方を示す。一方、仮に時価総額が100億円に満たなくても成長期待の高い銘柄はあるとして「(これらの銘柄が)時価総額の基準によって排除されるリスクもある」と指摘している。
1年間の改善期間を設け、この期間内に基準に適合しなかった場合、監理・整理銘柄指定期間を経て上場廃止となる。追加期間を設けて基準への適合を目指す計画を開示した場合、当該計画に記載した計画期間中は、例外的に上場を可能にする。計画期間の期限は定めない。
一方、スタンダード市場への市場区分の変更基準も見直す。これまで、最近1年間の利益額が1億円以上との形式要件があったが、これを適用しないようにする。利益額をねん出するために成長投資を抑制することがないようにする。