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クックFRB理事解任差し止め、米連邦地裁「政権の主張は不十分」

2025年09月10日(水)13時26分

 米ワシントンの連邦地裁は9日、トランプ大統領によるクック連邦準備理事会(FRB)理事(写真)の解任を一時差し止める判断を示した。ワイオミング州ジャクソンホールで先月撮影(2025年 ロイター/Jim Urquhart)

[9日 ロイター] - 米ワシントンの連邦地裁は9日、トランプ大統領によるクック連邦準備理事会(FRB)理事の解任を一時差し止める判断を示した。

トランプ大統領は8月下旬にクック氏解任を表明したが、FRBは同理事が職務を継続するとしている。

地裁は、クック氏が就任前に住宅ローン詐欺を働いたというトランプ政権の主張は解任の十分な理由にはならないと説明。「トランプ大統領は、クック氏の理事会メンバーとしての行動や職務に関連し、同氏が不誠実に、あるいは非効率に遂行することで理事会や公共の利益を害していることを示していない」と記した。

クック氏は不正行為を否定している。

ホワイトハウスからはコメントを得られていない。トランプ大統領は今回の地裁判断に関する記者の質問に答えなかった。

FRBはコメントを避けた。

クック氏の代理人は声明で「FRBの独立性を違法な政治的干渉から守ることの重要性を再確認するものだ」と述べた。

FRBを設立した法律では、理事は「正当な理由(for cause)」がある場合のみ解任される可能性があるとされているが、その定義や解任手続きは定められていない。

地裁は「理事解任の根拠は在任中の行動と、法定職務を忠実かつ効果的に遂行していたかどうかに関する理由に限定されるというのが『正当な理由』の最良の読み方だ」と指摘。「従って、『正当な理由』というのは、純粋に就任前に行われた行為を理由とする解任を想定しているわけではない」と述べた。

ロイター
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