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米ナスダックが上場基準厳格化など提案、相場操縦防止対策で

2025年09月05日(金)08時22分

 9月3日、米取引所運営大手ナスダックは株式市場における違法な相場操縦防止策の一環として上場基準の厳格化などを提案した。写真はナスダックのロゴ。2021年12月、ニューヨークで撮影(2025年 ロイター/Jeenah Moon)

Anirban Sen Mrinmay Dey

[ニューヨーク 3日 ロイター] - 米取引所運営大手ナスダックは3日、株式市場における違法な相場操縦防止策の一環として上場基準の厳格化などを提案した。取引動向の検証作業を踏まえた動きで、これらの提案を既に証券取引委員会(SEC)へ出しており、承認され次第実行するとしている。

ナスダックは「パンプ・アンド・ダンプ(流動性が低く時価総額が小さい特定銘柄の価格を偽情報などで人為的につり上げた後で売り抜ける手法)」などの相場操縦を含めた取引動向を検証したと説明した。

そうした対策として新規上場に必要な浮動株の時価総額の最低基準を従来の500万ドルから1500万ドルに引き上げるほか、時価総額が500万ドルを下回るとともに上場適格性を欠く企業の売買停止と上場廃止手続きを迅速化する方針を打ち出した。

また主として中国で事業を展開する企業が上場を希望する場合、新規株式公開(IPO)の規模を最低2500万ドルに引き上げる。

ナスダックが数年にわたって調査したところでは、中国発の企業が小規模なIPOを実施した後で株価が高騰し、その後急落して投資家が痛い目にあったケースが見られたという。

さらにナスダックは相場操縦の恐れがある取引について引き続きSECと金融取引業規制機構(FINRA)に通報し、国内外の規制当局との協力を通じた対応を強化していくと表明した。

ロイター
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