ニュース速報
ワールド

中国の対ブラジル投資が倍増、世界3位の投資先に浮上

2025年09月05日(金)11時23分

 ブラジル・中国ビジネス委員会(CEBC)の調査によると、2024年の中国によるブラジルへの直接投資額は42億ドルと、前年から倍増した。写真はドローンで撮影した中国BYD製自動車。サンタカタリーナ州の港で5月撮影(2025年 ロイター/Anderson Cohelo)

Manuela Andreoni Luciana Magalhaes

[サンパウロ 4日 ロイター] - ブラジル・中国ビジネス委員会(CEBC)の調査によると、2024年の中国によるブラジルへの直接投資額は42億ドルと、前年から倍増した。両国が外交面で接近する中、中国の国別投資先としてブラジルが世界3位に浮上した。

調査によると、エネルギー分野への投資が続いているほか、電気自動車(EV)やフードデリバリーといった新分野でも投資があったという。

ブラジルのモレイラ産業開発・イノベーション・貿易・サービス長官は「中国企業の参入は極めて望ましい。ブラジル産業の競合他社に衝撃を与えるだろう」と述べた上で、「国内サプライチェーン(供給網)を発展させるにはこうした投資が必要だ」と語った。

一方、EV生産を含めた中国系工場の多くは依然として、中国で生産した部品を輸入してブラジルで最終組み立てを行っている。モレイラ氏は、こうした投資は(ブラジルでの)雇用創出が限られ、経済成長の鍵となる供給網全体での新工場の誘致効果も小さいと指摘した。

トランプ米大統領がブラジルと中国からの輸入品に高関税を課す中、ブラジルのルラ大統領と中国の習近平国家主席は過去1年間で2度会談し、複数分野での連携を発表している。CEBCの調査担当者は、中国によるブラジル投資の拡大について「地政学的緊張が背景にある」と語った。

ロイター
Copyright (C) 2025 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

あわせて読みたい
ニュース速報

ビジネス

米スタバの中国事業株売却、買い手候補が最大50億ド

ワールド

情報BOX:日米間の枠組み合意についての共同声明

ワールド

対米投資5500億ドルの覚書、日本が指定口座に米ド

ワールド

英国が多国間防衛銀行の参加否定、計画推進に打撃
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:豪ワーホリ残酷物語
特集:豪ワーホリ残酷物語
2025年9月 9日号(9/ 2発売)

円安の日本から「出稼ぎ」に行く時代──オーストラリアで搾取される若者たちの実態は

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    【動画あり】9月初旬に複数の小惑星が地球に接近...地球への衝突確率は? 監視と対策は十分か?
  • 2
    「怖すぎる」「速く走って!」夜中に一人ランニングをする女性、異変を感じ、背後に「見えたモノ」にSNS震撼
  • 3
    「よく眠る人が長生き」は本当なのか?...「睡眠障害」でも健康長寿な「100歳超えの人々」の秘密
  • 4
    「生きられない」と生後数日で手放された2本脚のダ…
  • 5
    「あのホラー映画が現実に...」カヤック中の男性に接…
  • 6
    50歳を過ぎても運動を続けるためには?...「動ける体…
  • 7
    世論が望まぬ「石破おろし」で盛り上がる自民党...次…
  • 8
    【クイズ】世界で2番目に「農産物の輸出額」が多い「…
  • 9
    眠らないと脳にゴミがたまる...「脳を守る」3つの習…
  • 10
    SNSで拡散されたトランプ死亡説、本人は完全否定する…
  • 1
    東北で大腸がんが多いのはなぜか――秋田県で死亡率が下がった「意外な理由」
  • 2
    1日「5分」の習慣が「10年」先のあなたを守る――「動ける体」をつくる、エキセントリック運動【note限定公開記事】
  • 3
    50歳を過ぎても運動を続けるためには?...「動ける体」をつくる4つの食事ポイント
  • 4
    「怖すぎる」「速く走って!」夜中に一人ランニング…
  • 5
    豊かさに溺れ、非生産的で野心のない国へ...「世界が…
  • 6
    25年以内に「がん」を上回る死因に...「スーパーバグ…
  • 7
    【動画あり】9月初旬に複数の小惑星が地球に接近...…
  • 8
    信じられない...「洗濯物を干しておいて」夫に頼んだ…
  • 9
    日本の「プラごみ」で揚げる豆腐が、重大な健康被害…
  • 10
    首を制する者が、筋トレを制す...見た目もパフォーマ…
  • 1
    「自律神経を強化し、脂肪燃焼を促進する」子供も大人も大好きな5つの食べ物
  • 2
    デンマークの動物園、飼えなくなったペットの寄付を呼びかけ ライオンのエサに
  • 3
    「まさかの真犯人」にネット爆笑...大家から再三「果物泥棒」と疑われた女性が無実を証明した「証拠映像」が話題に
  • 4
    信じられない...「洗濯物を干しておいて」夫に頼んだ…
  • 5
    山道で鉢合わせ、超至近距離に3頭...ハイイログマの…
  • 6
    「レプトスピラ症」が大規模流行中...ヒトやペットに…
  • 7
    「あなた誰?」保育園から帰ってきた3歳の娘が「別人…
  • 8
    将来ADHDを発症する「幼少期の兆候」が明らかに?...…
  • 9
    デカすぎ...母親の骨盤を砕いて生まれてきた「超巨大…
  • 10
    イラン人は原爆資料館で大泣きする...日本人が忘れた…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中