ニュース速報
ビジネス

ドイツの洋上風力発電事業、中国製タービン取りやめ国内製に

2025年08月26日(火)12時57分

ドイツの北海の洋上風力発電事業で、中国企業へのタービン発注が取り消され、国内企業に切り替わる見通しとなった。写真は風力発電施設。英国で8月に撮影(2025年 ロイター/Toby Melville)

Riham Alkousaa Sarah Marsh

[ベルリン 25日 ロイター] - ドイツの北海の洋上風力発電事業で、中国企業へのタービン発注が取り消され、国内企業に切り替わる見通しとなった。

ウォーターカント(Waterkant)計画は、2028年末までに送電網に接続する予定で約40万世帯分の電力供給を見込んでいる。

ハンブルクを拠点とする資産運用会社ルクスカーラは25日、中国の明陽智能能源集団からタービンの供給を受ける契約を破棄する見通しとなったと発表した。代わりに、シーメンス・エナジー傘下シーメンス・ガメサ製のタービン19基の供給枠を確保したと説明。運営効率を高めるため隣接するワテレッケ風力発電事業のタービンも交換を検討しているという。

欧州連合(EU)欧州委員会は昨年、加盟5カ国が中国製の風力タービンメーカーによって市場競争が損なわれている可能性について調査を開始した。明陽智能能源への発注が発表されたのは、その後で、欧州のタービン業界から批判の声が上がり、ドイツ政府も懸念を持った。

ルクスカーラはロイターに対し、明陽智能能源との契約をめぐる政治的議論は、契約破棄を検討する上で決定的な役割を果たさなかったとメールで回答。一方、「われわれの対応が政治的な目標とも整合し、サプライチェーンや技術的な依存、安全保障上の観点に関する問題に対応している。こうした事実は好ましい副次的効果だ」と説明した。

明陽智能能源は、ウォーターカント事業にはもはや関与していないが、ドイツでの機会を依然として模索していると述べた。

メルツ首相はこれまでのところ中国に厳しい態度を示しており、中国とロシアの接近に懸念を示すとともに中国への依存度を下げる方針を示している。

ロイター
Copyright (C) 2025 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

米国旗焼却なら訴追・在留制限へ、トランプ氏が大統領

ビジネス

午後3時のドルは147円後半で横ばい、FRB理事辞

ビジネス

モルガン・スタンレー、9月の米利下げ予想 パウエル

ワールド

韓国大統領、ハンファグループ所有の造船所訪問へ 対
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:健康長寿の筋トレ入門
特集:健康長寿の筋トレ入門
2025年9月 2日号(8/26発売)

「何歳から始めても遅すぎることはない」――長寿時代の今こそ筋力の大切さを見直す時

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    プール後の20代女性の素肌に「無数の発疹」...ネット民が「塩素かぶれ」じゃないと見抜いたワケ
  • 2
    皮膚の内側に虫がいるの? 投稿された「奇妙な斑点」の正体...医師が回答した「人獣共通感染症」とは
  • 3
    飛行機内で隣の客が「最悪」のマナー違反、「体を密着させ...」 女性客が投稿した写真に批判殺到
  • 4
    「死ぬほど怖い」「気づかず飛び込んでたら...」家の…
  • 5
    なぜ筋トレは「自重トレーニング」一択なのか?...筋…
  • 6
    顔面が「異様な突起」に覆われたリス...「触手の生え…
  • 7
    【写真特集】「世界最大の湖」カスピ海が縮んでいく…
  • 8
    アメリカの農地に「中国のソーラーパネルは要らない…
  • 9
    「あなた誰?」保育園から帰ってきた3歳の娘が「別人…
  • 10
    「ゴッホ展 家族がつないだ画家の夢」(東京会場) …
  • 1
    「まさかの真犯人」にネット爆笑...大家から再三「果物泥棒」と疑われた女性が無実を証明した「証拠映像」が話題に
  • 2
    「レプトスピラ症」が大規模流行中...ヒトやペットに感染、最悪の場合死亡も
  • 3
    「あなた誰?」保育園から帰ってきた3歳の娘が「別人」だった...母親によるビフォーアフター画像にSNS驚愕
  • 4
    「死ぬほど怖い」「気づかず飛び込んでたら...」家の…
  • 5
    プール後の20代女性の素肌に「無数の発疹」...ネット…
  • 6
    中国で「妊娠ロボット」発売か――妊娠期間も含め「自…
  • 7
    皮膚の内側に虫がいるの? 投稿された「奇妙な斑点」…
  • 8
    なぜ筋トレは「自重トレーニング」一択なのか?...筋…
  • 9
    飛行機内で隣の客が「最悪」のマナー違反、「体を密…
  • 10
    20代で「統合失調症」と診断された女性...「自分は精…
  • 1
    「週4回が理想です」...老化防止に効くマスターベーション、医師が語る熟年世代のセルフケア
  • 2
    こんな症状が出たら「メンタル赤信号」...心療内科医が伝授、「働くための」心とカラダの守り方とは?
  • 3
    「自律神経を強化し、脂肪燃焼を促進する」子供も大人も大好きな5つの食べ物
  • 4
    デカすぎ...母親の骨盤を砕いて生まれてきた「超巨大…
  • 5
    デンマークの動物園、飼えなくなったペットの寄付を…
  • 6
    「まさかの真犯人」にネット爆笑...大家から再三「果…
  • 7
    ウォーキングだけでは「寝たきり」は防げない──自宅…
  • 8
    山道で鉢合わせ、超至近距離に3頭...ハイイログマの…
  • 9
    「レプトスピラ症」が大規模流行中...ヒトやペットに…
  • 10
    「あなた誰?」保育園から帰ってきた3歳の娘が「別人…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中