ニュース速報
ビジネス

NY外為市場=ドル下落、トランプ氏のFRB理事辞任要求を嫌気

2025年08月21日(木)06時04分

ニューヨーク外為市場では、ドルが下落。2022年7月撮影(2025年 ロイター/Dado Ruvic)

[ニューヨーク 20日 ロイター] - ニューヨーク外為市場では、ドルが下落。トランプ米大統領がクック連邦準備理事会(FRB)理事に辞任を要求したことが重しとなった。ただ、午後に入り発表された7月の米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨で「ほぼ全て」の当局者が利下げを支持していなかったことが明らかとなり、ドルは下げ幅を縮小した。

トランプ大統領は20日、クックFRB理事の住宅ローン契約を巡る不正疑惑が指摘されたことを理由に、「今すぐ辞任すべきだ!!!」と、自身の交流サイト(SNS)「トゥルース・ソーシャル」に投稿。トランプ氏がFRBに対する圧力を強化しつつある兆候が示唆された。

バノックバーン・グローバル・フォレックスのチーフ市場ストラテジスト、マーク・チャンドラー氏はドルの動きについて、「市場は大統領によるFRBへの介入は好ましくないという意思表示をした」と述べた。

FRBが公表した7月29─30日のFOMC議事要旨からは、「ほぼ全員」の参加者が金利据え置きを「適切」と判断し、利下げを支持していたのは、据え置きに反対票を投じたウォラー理事とボウマン副議長(金融監督担当)の2人のみだったことが分かった。

終盤の取引で、主要通貨に対するドル指数は0.13%安の98.20。

ユーロ/ドルは0.09%高の1.1657ドル。

円は対ドルで0.32%高の147.20円。

市場の注目は、22日に予定されるパウエルFRB議長のジャクソンホール会議での講演にシフトしている。

市場が織り込む9月FOMCでの利下げ確率は83%。年末までに計54ベーシスポイント(bp)の利下げが見込まれている。

また、NZドルは対米ドルで1.12%安の0.5826米ドル。ニュージーランド準備銀行(中央銀行)は20日、政策金利を25bp引き下げ、3年ぶり低水準の3.00%とした。

ポンド/ドルは0.3%安の1.3449ドル。7月の英消費者物価指数(CPI)は前年比3.8%上昇と、24年1月以来の高水準となったものの、英中銀の金融政策に影響を与えるとはみられていない。

暗号資産(仮想通貨)ビットコインは0.22%安の11万3322ドル。

ドル/円 NY午後3時 147.26/147.28

始値 147.45

高値 147.54

安値 146.88

ユーロ/ドル NY午後3時 1.1654/1.1656

始値 1.1646

高値 1.1673

安値 1.1641

ロイター
Copyright (C) 2025 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

マイクロソフト、「シェアポイント」攻撃受け一部中国

ワールド

ベラルーシとイラン、軍事協力など関係深化へ 首脳会

ワールド

ウクライナ「安全保証」、軍事的側面巡る作業進行中=

ワールド

米副大統領ら政権高官が首都派遣の州兵激励、反対のデ
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:台湾有事 そのとき世界は、日本は
特集:台湾有事 そのとき世界は、日本は
2025年8月26日号(8/19発売)

中国の圧力とアメリカの「変心」に危機感。東アジア最大のリスクを考える

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「死ぬほど怖い」「気づかず飛び込んでたら...」家のプールを占拠する「巨大な黒いシルエット」にネット戦慄
  • 2
    「あなた誰?」保育園から帰ってきた3歳の娘が「別人」だった...母親によるビフォーアフター画像にSNS驚愕
  • 3
    中国で「妊娠ロボット」発売か――妊娠期間も含め「自然に近い」と開発企業
  • 4
    20代で「統合失調症」と診断された女性...「自分は精…
  • 5
    夏の終わりに襲い掛かる「8月病」...心理学のプロが…
  • 6
    広大な駐車場が一面、墓場に...ヨーロッパの山火事、…
  • 7
    こんな症状が出たら「メンタル赤信号」...心療内科医…
  • 8
    「レプトスピラ症」が大規模流行中...ヒトやペットに…
  • 9
    習近平「失脚説」は本当なのか?──「2つのテスト」で…
  • 10
    頭部から「黒い触手のような角」が生えたウサギ、コ…
  • 1
    「自律神経を強化し、脂肪燃焼を促進する」子供も大人も大好きな5つの食べ物
  • 2
    「レプトスピラ症」が大規模流行中...ヒトやペットに感染、最悪の場合死亡も
  • 3
    将来ADHDを発症する「幼少期の兆候」が明らかに?...「就学前後」に気を付けるべきポイント
  • 4
    「あなた誰?」保育園から帰ってきた3歳の娘が「別人…
  • 5
    頭部から「黒い触手のような角」が生えたウサギ、コ…
  • 6
    「死ぬほど怖い」「気づかず飛び込んでたら...」家の…
  • 7
    「笑い声が止まらん...」証明写真でエイリアン化して…
  • 8
    【クイズ】次のうち、「海軍の規模」で世界トップ5に…
  • 9
    「長女の苦しみ」は大人になってからも...心理学者が…
  • 10
    債務者救済かモラルハザードか 韓国50兆ウォン債務…
  • 1
    「週4回が理想です」...老化防止に効くマスターベーション、医師が語る熟年世代のセルフケア
  • 2
    こんな症状が出たら「メンタル赤信号」...心療内科医が伝授、「働くための」心とカラダの守り方とは?
  • 3
    「自律神経を強化し、脂肪燃焼を促進する」子供も大人も大好きな5つの食べ物
  • 4
    デカすぎ...母親の骨盤を砕いて生まれてきた「超巨大…
  • 5
    デンマークの動物園、飼えなくなったペットの寄付を…
  • 6
    ウォーキングだけでは「寝たきり」は防げない──自宅…
  • 7
    山道で鉢合わせ、超至近距離に3頭...ハイイログマの…
  • 8
    「レプトスピラ症」が大規模流行中...ヒトやペットに…
  • 9
    将来ADHDを発症する「幼少期の兆候」が明らかに?...…
  • 10
    イラン人は原爆資料館で大泣きする...日本人が忘れた…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中