芝浦電子TOB価格、合理的に説明できる最大限の額=ミネベアミツミCEO
Ritsuko Shimizu
[東京 18日 ロイター] - ミネベアミツミの貝沼由久・会長兼最高経営責任者(CEO)は18日、芝浦電子の株式公開買い付け(TOB)価格について「合理的に説明できる最大限の額」と述べた。
芝浦電子を巡っては、2月に台湾の部品メーカー、ヤゲオが同意なき買収を提案。その後、日本の部品サプライヤーであるミネベアミツミがホワイトナイト(友好的な買収者)として参戦した。両社によるTOBが進む中、14日にはミネベアミツミがTOB価格の6200円への引き上げを発表、ヤゲオと同額となった。
仮にヤゲオが再度、TOB価格を引き上げた場合の対応については「今の時点で仮定の話に答えるのは控えたい」と述べるにとどめた。ただ「ヤゲオが200―300円くらい上げても勝てる。これはわれわれの勘」と自信をのぞかせた。
ヤゲオへの外為法(外国為替及び外国貿易法)による当局の審査については、2度延期されているのは「異例中の異例」とし「日本の安全や技術を守る観点から適切な判断をされると信じている」と述べた。ただ、このままだと審査結果が出るのは最長で11月1日になるためミネベアミツミと「応募契約をしてくれている23%の大株主に早期かつ確実に現金化する機会を提供したい」との考えも示した。
貝沼CEOは芝浦電子買収によって「会社の成長がより確固たるものになる。会社のためにこれが一番良い」と強調。「今の成長ドライバーは自動車とデータセンター。次は人型ロボット、ドローン、自動運転」とし、芝浦電子が手がける温度センサーの「サーミスタセンサー」は、次の成長と期待する事業と親和性が高いと指摘した。