日経平均が連日の史上最高値、CPI受け9月米利下げ期待高まる

13日の東京株式市場で、日経平均株価は連日の史上最高値更新となり、初めて4万3000円台に乗せた。資料写真、2024年12月、東京証券取引所で撮影(2025年 ロイター/Kim Kyung-Hoon)
Mayu Sakoda
[東京 13日 ロイター] - 13日の東京株式市場で、日経平均株価は連日の史上最高値更新となり、初めて4万3000円台に乗せた。TOPIX(東証株価指数)は4営業日連続で史上最高値を更新した。背景には12日に米国で公表された7月の消費者物価指数(CPI)の伸びが市場予想通りになったことで、米連邦準備理事会(FRB)が9月会合で利下げに踏み切るとの期待が高まったことがある。
米労働省の労働統計局(BLS)が12日発表した7月のCPIは前年比2.7%上昇した。伸びは前月から横ばいで、市場予想の2.8%を下回った。金融市場では利下げ確率が切り上がり、9月の米連邦公開市場委員会(FOMC)での25ベーシスポイント(bp)の利下げ確率は98%となった。
ソニーフィナンシャルグループの宮嶋貴之シニアエコノミストは、当初懸念されていたスタグフレーション懸念が後退し、9月の利下げが濃厚になってきたとした上で「これからは25bpか50bpかの議論となるだろう」と話す。50bpでの織り込みが進んだ場合、株価は上値余地が見込めるという。
米株高を受けて、日経平均、TOPIXはともに寄り付きで6日続伸し、史上最高値を更新した。その後も上値追いの展開となり、足元の日経平均は前営業日比580円超高の4万3300円付近で推移している。東証プライム市場では6割超の銘柄が上昇している。
三井住友トラスト・アセットマネジメントの上野裕之チーフストラテジストは、このところの株価上昇を米利下げ期待のほか、関税交渉や企業業績への過度な警戒感が後退したことなど、様々な材料が蓄積した結果と分析する。「押し目を待っていても押し目が来ない」(上野氏)状況となっており、「持たざるリスク」が警戒される中、運用成績を意識した海外の機関投資家が断続的に買いを入れているという。
一方、個別では指数寄与度の大きいソフトバンクグループは6営業日ぶりに反落するなど、主力株の一角では買いが一巡している動きもみられる。松井証券の窪田朋一郎シニアマーケットアナリストは「個別では上昇ピッチが鈍っているものもあるので、株高のクライマックスが近い可能性もある」と話す。14日に発表される米卸売物価指数(PPI)でインフレの高止まりが示唆されたり、FRBの人事を巡る不透明感が強まったりすると、ムードが一転するリスクがあるみている。