米ボーイング、4─6月期は赤字縮小 航空機生産の回復寄与

米航空機大手ボーイングが29日発表した2025年4─6月期決算は、売上高が前年同期比35%増の227億5000万ドルと、市場予想の218億4000万ドルを上回った。仏・パリ近郊で6月撮影(2025年 ロイター/Benoit Tessier)
[29日 ロイター] - 米航空機大手ボーイングが29日発表した2025年4─6月期決算は、売上高が前年同期比35%増の227億5000万ドルと、市場予想の218億4000万ドルを上回った。調整後1株当たりのコア損益は1.24ドルの赤字と前年同期の2.90ドルの赤字から縮小した。LSEGがまとめた市場予想は1.48ドルの赤字だった。
24年の品質問題に起因する規制や大規模ストライキによって航空機生産が停滞していたが、足元で生産と納入のペースが回復していることが寄与した。
ボーイングによると、5月に「737型」を38機製造し、その後も生産は安定している。米連邦航空局(FAA)は、24年1月に飛行中に側壁が吹き飛ぶ事故が発生したことを受けて、主力機「737MAX」の生産を一時的に制限していた。
ケリー・オルトバーグ最高経営責任者(CEO)は従業員に宛てた書簡で「安全・品質計画に取り組む中、事業は安定化しつつある」と述べた。FAAの承認を得られれば、生産を月42機に引き上げる方針だとも言及した。
25年1─6月期に737MAXを206機納入。サウスカロライナ州チャールストン工場で787型の生産を月5機から7機に増やした。1─6月期までの受注は668件で、キャンセルなどを除いた純受注は625件だった。
防衛・宇宙・セキュリティー部門の営業損益は1億1000万ドルの黒字で、前年同期の9億1300万ドルの赤字から回復した。
第2四半期のフリーキャッシュフロー(純現金収支)は2億ドルのマイナスで、マイナス幅はLSEGがまとめたアナリスト予想(17億2000万ドル)より小幅にとどまった。前期は23億ドルのマイナス、前年同期は43億3000万ドルのマイナスだった。
オルトバーグ氏はCNBCのインタビューで、トランプ大統領が貿易交渉で合意を引き出すために関税を積極的に利用していることを称賛した。「私はこの関税の状況を気に入っている」とし、「当社のビジネスにとっても、航空宇宙にとっても良いことだ」と述べた。