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英・印がFTA調印、40年までに貿易340億ドル拡大目指す

2025年07月25日(金)08時47分

スターマー英首相と訪英中のインドのモディ首相は24日、自由貿易協定(FTA)に正式調印した。握手する両首脳、24日の代表撮影(2025年 ロイター)

Alistair Smout Manoj Kumar

[ロンドン/ニューデリー 24日 ロイター] - スターマー英首相と訪英中のインドのモディ首相は24日、自由貿易協定(FTA)に正式調印した。繊維製品やウイスキー、自動車など幅広い品目に対する関税を引き下げ、企業の市場アクセスを拡大することを目的とする。

トランプ米大統領による関税を巡る混乱の影響下で両国は協定締結を加速し、3年にわたる交渉の末、5月に協議がまとまった。世界第5位と6位の経済大国間の協定で、2040年までに2国間貿易を255億ポンド(340億ドル)拡大することを目指す。

英国にとっては20年の欧州連合(EU)離脱以降で最大の貿易協定となる。インドにとって先進経済国との最大の戦略的パートナーシップとなる。協定は1年以内とみられる批准手続きを経て発効する。

両国はまた、防衛や気候などの分野でのパートナーシップにも合意し、犯罪対策での協力も強化する。

スターマー氏は、新たな国際貿易の時代において、貿易がより安価でより迅速かつ容易になることは両国にとって大きな利益となると述べた。

モディ氏は今回の合意を「両国の共通の繁栄に向けた青写真」と評価し、繊維製品や宝飾品、海産物を含むインド製品がより良い市場アクセスを確保できると強調した。

英政府によると、協定によりスコッチ・ウィスキーの関税は150%から75%に下がり、その後10年間で40%まで下がる。

自動車についてインドは段階的に自由化される割当制に基づき、関税を100%以上の水準から10%に引き下げる。インドのメーカーは電気自動車とハイブリッド車について、同じく割当制の下で英国市場へのアクセスが可能になる。

今回協定により、英国に輸出されるインド製品の99%の関税がゼロになる。英国は対象関税の90%で削減を実現する。英企業が直面する平均関税は15%から3%に低下する見込みだ。

また、40年までに英国の総生産を年間48億ポンド押し上げると予測されるが、昨年の国内総生産(GDP)2兆6000億ポンドに比べれば割合は小さい。

ロイター
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