ニュース速報
ビジネス

アングル:米大手銀でステーブルコイン立ち上げの動き、トランプ政権の法整備追い風

2025年07月17日(木)18時41分

 7月16日、バンク・オブ・アメリカ(バンカメ)やシティバンクなど複数の米大手銀行が、法定通貨に連動する暗号資産(仮想通貨)ステーブルコインの立ち上げ作業を進めている。写真はバンカメのモイニハン最高経営責任者(CEO)。2024年11月、ニューヨークで撮影(2025年 ロイター/Brendan McDermid)

Nupur Anand

[ニューヨーク 16日 ロイター] - バンク・オブ・アメリカ(バンカメ)やシティバンクなど複数の米大手銀行が、法定通貨に連動する暗号資産(仮想通貨)ステーブルコインの立ち上げ作業を進めている。トランプ米政権が仮想通貨の促進に向けた法整備に取り組んでいることが背景にある。

バンカメのモイニハン最高経営責任者(CEO)は16日の決算発表後のアナリスト向け電話会議で、同行がステーブルコインの立ち上げに取り組んでいると明らかにした。具体的なスケジュールは示さなかったものの、投資家は作業の前進を期待してよいと述べた。

ステーブルコインに対する顧客の需要は現時点では強くないが、バンカメとしては需要の解析に務めていると説明。適切なタイミングでステーブルコインを打ち出し、その際には他の事業者と組む公算が大きいとも述べた。ステーブルコイン導入の進捗状況については、銀行側が法的な面がより明確になるのを待っているため、一部の投資家の予想に比べて遅れが生じているとした。

モルガン・スタンレーのイェシャヤ最高財務責任者(CFO)は16日、ステーブルコインの動向を注視していると発言。「われわれはステーブルコインの全体的な利用状況と当社の顧客基盤向けの潜在的な用途の両方に目配りしている。しかし、われわれが展開しているビジネスと競合他社のビジネスの違いを考えると、ステーブルコインの使われ方について判断を下すのはやや早計だ」と述べた。

シティグループのフレーザーCEOも15日の決算発表後に「シティ独自のステーブルコインの発行を検討している」と述べ、デジタル決済を促進するためにステーブルコインを発行する可能性があると明らかにした。

代表的な仮想通貨であるビットコインに懐疑的な姿勢で知られるJPモルガン・チェースのダイモンCEOは15日、同行がステーブルコインに関与することになるだろうと述べたが、詳細には触れなかった。

ロイター
Copyright (C) 2025 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

ウクライナ議会、スビリデンコ氏を新首相に選出 シュ

ビジネス

米小売売上高、6月+0.6%で予想以上に回復 コア

ワールド

ガザ攻撃で22人死亡 カトリック教会も被害 伊首相

ビジネス

TSMC、第2四半期AI需要で過去最高益 関税を警
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:AIの6原則
特集:AIの6原則
2025年7月22日号(7/15発売)

加速度的に普及する人工知能に見えた「限界」。仕事・学習で最適化する6つのルールとは?

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    頭はどこへ...? 子グマを襲った「あまりの不運」が話題に
  • 2
    その首輪に書かれていた「8文字」に、誰もが言葉を失った
  • 3
    日本より危険な中国の不動産バブル崩壊...目先の成長だけ追い求め「失われた数百年」到来か?
  • 4
    アメリカで「地熱発電革命」が起きている...来年夏に…
  • 5
    ネグレクトされ再び施設へ戻された14歳のチワワ、最…
  • 6
    「二度とやるな!」イタリア旅行中の米女性の「パス…
  • 7
    「巨大なヘラジカ」が車と衝突し死亡、側溝に「遺さ…
  • 8
    「異常な出生率...」先進国なのになぜ? イスラエル…
  • 9
    「飛行機内が臭い...」 原因はまさかの「座席の下」…
  • 10
    アフリカ出身のフランス人歌手「アヤ・ナカムラ」が…
  • 1
    頭はどこへ...? 子グマを襲った「あまりの不運」が話題に
  • 2
    その首輪に書かれていた「8文字」に、誰もが言葉を失った
  • 3
    「ベンチプレス信者は損している」...プッシュアップを極めれば、筋トレは「ほぼ完成」する
  • 4
    日本より危険な中国の不動産バブル崩壊...目先の成長…
  • 5
    「お腹が空いていたんだね...」 野良の子ネコの「首…
  • 6
    どの学部の卒業生が「最も稼いでいる」のか? 学位別…
  • 7
    アメリカで「地熱発電革命」が起きている...来年夏に…
  • 8
    千葉県の元市長、「年収3倍」等に惹かれ、国政に打っ…
  • 9
    「二度とやるな!」イタリア旅行中の米女性の「パス…
  • 10
    ネグレクトされ再び施設へ戻された14歳のチワワ、最…
  • 1
    「コーヒーを吹き出すかと...」ディズニーランドの朝食が「高額すぎる」とSNSで大炎上、その「衝撃の値段」とは?
  • 2
    「あまりに愚か...」国立公園で注意を無視して「予測不能な大型動物」に近づく幼児連れ 「ショッキング」と映像が話題に
  • 3
    頭はどこへ...? 子グマを襲った「あまりの不運」が話題に
  • 4
    その首輪に書かれていた「8文字」に、誰もが言葉を失…
  • 5
    10歳少女がサメに襲われ、手をほぼ食いちぎられる事…
  • 6
    JA・卸売業者が黒幕説は「完全な誤解」...進次郎の「…
  • 7
    燃え盛るロシアの「黒海艦隊」...ウクライナの攻撃で…
  • 8
    ディズニー・クルーズラインで「子供が海に転落」...…
  • 9
    「小麦はもう利益を生まない」アメリカで農家が次々…
  • 10
    イランを奇襲した米B2ステルス機の謎...搭乗した専門…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中