アングル:米大手銀でステーブルコイン立ち上げの動き、トランプ政権の法整備追い風

7月16日、バンク・オブ・アメリカ(バンカメ)やシティバンクなど複数の米大手銀行が、法定通貨に連動する暗号資産(仮想通貨)ステーブルコインの立ち上げ作業を進めている。写真はバンカメのモイニハン最高経営責任者(CEO)。2024年11月、ニューヨークで撮影(2025年 ロイター/Brendan McDermid)
Nupur Anand
[ニューヨーク 16日 ロイター] - バンク・オブ・アメリカ(バンカメ)やシティバンクなど複数の米大手銀行が、法定通貨に連動する暗号資産(仮想通貨)ステーブルコインの立ち上げ作業を進めている。トランプ米政権が仮想通貨の促進に向けた法整備に取り組んでいることが背景にある。
バンカメのモイニハン最高経営責任者(CEO)は16日の決算発表後のアナリスト向け電話会議で、同行がステーブルコインの立ち上げに取り組んでいると明らかにした。具体的なスケジュールは示さなかったものの、投資家は作業の前進を期待してよいと述べた。
ステーブルコインに対する顧客の需要は現時点では強くないが、バンカメとしては需要の解析に務めていると説明。適切なタイミングでステーブルコインを打ち出し、その際には他の事業者と組む公算が大きいとも述べた。ステーブルコイン導入の進捗状況については、銀行側が法的な面がより明確になるのを待っているため、一部の投資家の予想に比べて遅れが生じているとした。
モルガン・スタンレーのイェシャヤ最高財務責任者(CFO)は16日、ステーブルコインの動向を注視していると発言。「われわれはステーブルコインの全体的な利用状況と当社の顧客基盤向けの潜在的な用途の両方に目配りしている。しかし、われわれが展開しているビジネスと競合他社のビジネスの違いを考えると、ステーブルコインの使われ方について判断を下すのはやや早計だ」と述べた。
シティグループのフレーザーCEOも15日の決算発表後に「シティ独自のステーブルコインの発行を検討している」と述べ、デジタル決済を促進するためにステーブルコインを発行する可能性があると明らかにした。
代表的な仮想通貨であるビットコインに懐疑的な姿勢で知られるJPモルガン・チェースのダイモンCEOは15日、同行がステーブルコインに関与することになるだろうと述べたが、詳細には触れなかった。