世界の銀行、関税巡る混乱でトレーディング収入10%増の見通し

分析会社クリシル・コアリション・グリニッジの予測によると、米大手金融機関を含む世界の銀行は、二転三転する米関税政策により、トレーディング収入が10%増加する見通しだ。写真は6月、ウェルズ・ファーゴのニューヨークの支店(2025年 ロイター/Kylie Cooper)
[ニューヨーク 9日 ロイター] - 分析会社クリシル・コアリション・グリニッジの予測によると、米大手金融機関を含む世界の銀行は、二転三転する米関税政策により、トレーディング収入が10%増加する見通しだ。
同社の予測はJPモルガン・チェース、バンク・オブ・アメリカ(BofA)、シティグループ、ゴールドマン・サックス、モルガン・スタンレー、ウェルズ・ファーゴ、欧州の銀行を含む世界の12行をベースにしている。
同社のデータによると、12行の第1・四半期のトレーディング収入は15%増加した。
コアリションの市場コンペティター分析責任者、モリー・デバイン氏は「ボラティリティーは市場収益の味方だ」と指摘。一部の関税発表はトレーディングデスクにとって「ポジティブな材料」だったと述べた。
同氏は、株式市場が債券市場や外国為替市場よりも規模が小さいにもかかわらず、株式が債券や為替よりも好調だったとし、第2・四半期のトレーディング収入は株式が前年同期比18%増、債券が同5%増になると予想した。
コアリションは銀行の2025年トレーディング収入について約7%増を見込んでおり、通年では上半期に予想される13%増から伸びが鈍化する見通し。
25年の収入額見通しである2462億ドルは09年以来の高水準となる。