日産、台湾・鴻海と追浜工場の共同利用を協議 EV生産で=関係筋

経営再建中の日産自動車が、閉鎖を検討している追浜工場(神奈川県横須賀市)について、台湾の電子製品受託製造大手、鴻海精密工業と電気自動車(EV)の生産で共同利用する可能性を協議していることが分かった。日産の横浜本社で3月撮影(2025年 ロイター/Kim Kyung-Hoon)
Maki Shiraki
[東京 7日 ロイター] - 経営再建中の日産自動車が、閉鎖を検討している追浜工場(神奈川県横須賀市)について、台湾の電子製品受託製造大手、鴻海精密工業と電気自動車(EV)の生産で共同利用する可能性を協議していることが分かった。同工場で鴻海が自社のEVを生産することを軸に検討を進めている。複数の関係者が明らかにした。
鴻海がEVを生産することになれば、日産は閉鎖を検討していた追浜工場を一転、存続させられる。閉鎖に伴う従業員の削減も回避できるほか、サプライヤーへの影響も抑えることができる。
追浜工場の年間生産能力は24万台だが、これまで手掛けていたEV「リーフ」の生産を栃木工場(栃木県上三川町)に移管し、現在は販売不振の小型車「ノート」とその派生車「ノートオーラ」のみを製造。関係者らは「現在は5割を下回っている追浜の稼働率向上」が見込めるとしている。
追浜工場は1961年に操業を開始した主力工場で、試験場や研究所、自動車専用の埠頭を備える。従業員数は昨年10月末時点で約3900人。
鴻海はスマートフォンなどの電子機器の受託製造が中心だったが、ここ数年は事業の多角化を進めており、日産の工場を活用し、EV事業の強化・拡大を図る狙いとみられる。
鴻海との協議について、日産広報担当者は「当社が発表したものではない」とした上で、「今後ともステークホルダー(利害関係者)への透明性を維持し、決定したことがあれば適切なタイミングで情報を提供する」とコメントした。
鴻海からはコメントを得られていない。