NY市場サマリー(3日)S&P・ナスダック過去最高値、ドル上昇、利回り上昇
<為替> ニューヨーク外為市場ではドルが円、ユーロ、スイスフランなどの主要通貨に対して上昇した。6月の雇用統計で雇用者数が予想を上回って伸びたことで、米連邦準備理事会(FRB)の利下げ再開は7月ではなく9月になるとの観測が裏付けられた。
労働省が発表した6月の雇用統計で非農業部門雇用者数が14万7000人増加し、伸びは予想の11万人を上回った。失業率は4.1%と、前月の4.2%から低下した。
メルク・ハード・カレンシー・ファンド(カ リフォルニア州)のプレジデント 兼最高投資責任者(CIO)、アクセル・メルク氏は、パウエルFRB議長が示している様子見姿勢は引き続き有効になるとしながらも、 「労働市場がこれほど堅調な環境下で、FRBが利下げを行うことは極めて困難になる」と述べた。
CMEフェドウオッチによると、FRBが次回7月の会合で金利据え置きを決定する確率は95.3%と、前日の76.2%から上昇。FRBの利下げ再開は9月になるとの見方が強まったことで、米国債利回りUS2YT=RRUS10YT=RRが上昇したほか、米株価も上昇。S&P総合500種.SPXとナスダック総合.IXICは過去最高値で取引を終えた。
FXストリートのシニアアナリスト、ジョセフ・トレビサニ氏は「ドルは2月以降、対ユーロで約13%下落したが、その大部分はFRBの利下げ観測によるものだった」と述べた。
NY外為市場:[USD/J]
<債券> 米金融・債券市場では、利回りが上昇した。予想を上回る米雇用統計を受け、連邦準備理事会(FRB)が年内利下げに慎重な姿勢を維持することが裏付けられた。
午後の取引では、2年債利回りは9.7べーシスポイント(bp)上昇の3.888%。週間では14.6bp上昇し、4月序盤以来の上昇幅となった。指標となる10年国債利回りは5.3bp上昇の4.346%。週間では6.3bp上昇し、約1カ月ぶりの大幅上昇となる見込み。
米労働省が3日発表した6月の雇用統計によると、非農業部門雇用者数は14万7000人増加で市場予想を上回った。失業率は4.1%。5月の4.2%から予想外に低下した。
これを受け、7月の米連邦公開市場委員会(FOMC)での利下げ確率は4.7%と、発表前の約25%から低下。9月の利下げ確率も発表直前の98%から75%に低下した。
プラント・モラン・ファイナンシャル・アドバイザーズのジム・ベアード最高投資責任者(CIO)は雇用統計について、「見出しの数字だけを見ると、これまでの労働市場悪化を巡る懸念は、実際の状況よりも過度に悲観的なものだったと言える」と指摘。その上で、民間セクターの雇用者数がかなり鈍化していることから、依然として警戒すべき点はあると述べた。
米金融・債券市場:[US/BJ]
<株式> 米国株式市場はS&P総合500種とハイテク銘柄中心のナスダック総合が過去最高値で取引を終えた。この日発表された米雇用統計が市場予想を上回ったことを受け、市場では連邦準備理事会(FRB)が9月まで利下げを行わないとの見方が高まった。こうした中、AI(人工知能)半導体大手エヌビディアが1.3%上昇し、時価総額は4兆ドルに迫った。
労働省が発表した6月の雇用統計によると、非農業部門雇用者数は14万7000人増加で市場予想を上回った。失業率は4.1%。5月の4.2%から予想外に低下した。
CMEのフェドウオッチによると、連邦準備理事会(FRB)が9月の連邦公開市場委員会(FOMC)で25ベーシスポイント(bp)の利下げを行う確率は68%と、1週間前の74%から低下した。
マン・グループのチーフ・マーケット・ストラテジスト、クリスティーナ・フーパー氏は「市場には非合理的な熱狂が訪れつつあり、過度に楽観的な方向に傾いている」と指摘。とはいえ、それにはある程度の根拠があるとした上で、「雇用統計が(懸念されていたような)弱い結果ではなかった」ことである程度の安堵(あんど)感がみられたと述べた。
エヌビディアの6月末時点の時価総額は3兆8600億ドルとなり、マイクロソフトの3兆6900億ドルを約4.3%上回って世界の時価総額ランキングで首位に返り咲いた。
米国株式市場:[.NJP]
<金先物> ニューヨーク商品取引所(COMEX)の金塊先物相場は、予想よりも良好な米雇用統計の発表を受けて早期利下げ観測が後退する中、4営業日ぶりに反落した。
米労働省が3日発表した6月の米雇用統計では、景気動向を敏感に反映する非農業部門の就業者数が前月比14万7000人増(前月14万4000人増)と、市場予想(11 万人増=ロイター調査)を上回った。失業率は4.1%と、0.1ポイント改善。米労働市場の雇用の拡大ペースは鈍化しているものの、底堅さを維持していることが示唆さ れた。これを受け、米連邦準備理事会(FRB)が早ければ7月の会合で利下げに踏 み切るとの観測が後退し、米長期金利が上昇。外国為替市場ではドル高・ユーロ安が進行 し、ドル建てで取引される商品の割高感が生じ、金の売りが膨らんだ。相場は統計発表後、一時40ドル近く値を消した。
NY貴金属:[GOL/XJ]
<米原油先物> ニューヨーク商業取引所(NYMEX)の原油先物相場は、米独立記念日の連休を前に持ち高調整の売りがやや優勢となり、3営業日ぶりに反落した。
イランによる核開発継続への警戒感から、前日の相場は約1週間半ぶりの高値で終了。 トランプ米大統領が自身のSNSで、ベトナムと貿易協定の大枠で合意したと発表したことも追い風となった。
しかし、この日は相互関税上乗せ分の停止期限が9日に迫る中、欧州連合(EU)や日 本などとの通商交渉がまだ決着していないことに着目した売りが台頭。また、需要減退懸念が根強い一方で、石油輸出国機構(OPEC)加盟・非加盟の産油国で構成する「OP ECプラス」が8月以降も増産を継続する方針との見方が投資家心理を圧迫した。前日の米エネルギー情報局(EIA)週報では、原油とガソリンの在庫が予想外の積み増しを示したほか、この日は中国のサービス業景況感が9カ月ぶりの低水準に悪化したことが明らかになった。
NYMEXエネルギー:[CR/USJ]
ドル/円 NY終値 144.92/144.
93
始値 143.84
高値 145.23
安値 143.82
ユーロ/ドル NY終値 1.1756/1.17
58
始値 1.1794
高値 1.1796
安値 1.1719
米東部時間
30年債(指標銘柄) 14時30分 98*07.5 4.8623
0 %
前営業日終値 98*27.0 4.8230
0 %
10年債(指標銘柄) 14時30分 99*07.0 4.3477
0 %
前営業日終値 99*21.0 4.2930
0 %
5年債(指標銘柄) 14時30分 99*22.7 3.9393
5 %
前営業日終値 100*00. 3.8700
75 %
2年債(指標銘柄) 14時30分 99*23.7 3.8861
5 %
前営業日終値 99*29.6 3.7890
3 %
終値 前日比 %
ダウ工業株30種 44828.53 +344.11 +0.77
前営業日終値 44484.42
ナスダック総合 20601.10 +207.97 +1.02
前営業日終値 20393.13
S&P総合500種 6279.35 +51.93 +0.83
前営業日終値 6227.42
COMEX金 8月限 3342.9 ‐16.8
前営業日終値 3359.7
COMEX銀 9月限 3708.4 +35.7
前営業日終値 3672.7
北海ブレント 9月限 68.80 ‐0.31
前営業日終値 69.11
米WTI先物 8月限 67.00 ‐0.45
前営業日終値 67.45
CRB商品指数 299.9268 ‐0.7787
前営業日終値 300.7055