米FRB、不確実な時期にはフォワードガイダンスの公表控えめに=SF連銀総裁

6月22日、米サンフランシスコ地区連銀のデイリー総裁(写真右端)は、とりわけ経済情勢が不確実な時期には、米連邦準備理事会(FRB)が将来の金融政策の方針を事前に示す「フォワードガイダンス」の公表を控えめにすることを検討すべきだとの見解を示した。5月29日、カリフォルニア州オークランドで撮影(2025年 ロイター/Ann Saphir)
[サンフランシスコ 22日 ロイター] - 米サンフランシスコ地区連銀のデイリー総裁は22日、とりわけ経済情勢が不確実な時期には、米連邦準備理事会(FRB)が将来の金融政策の方針を事前に示す「フォワードガイダンス」の公表を控えめにすることを検討すべきだとの見解を示した。
デイリー氏は会議での講演原稿で「言葉には力があり、素晴らしいツールだ。しかし、言葉は金利よりも反転させるのが難しい」とし、フォワードガイダンスによって生じた見通しは「経済が私たちの予想と異なる展開を見せた場合、変更するのが難しくなり得る」と指摘。
一例として2021年、FRBがバランスシートの拡大を続け、インフレ率が目標の2%をいくらかの間上回るまで利上げを見送ると発表したことを例示。アナリストや多くのFRB当局者はこの明確なフォワードガイダンスが響き、インフレ率の拡大を抑えるための利上げ開始が遅れたとの見方を示している。
デイリー氏は「あの時期からの教訓は、不確実性が高い時期に断定的に予想することは、代償を伴うということだ」とし、FRBは金融政策の方向性を柔軟かつダイナミックに伝えるべきだとの考えを表明した。
FRBは現在、金融政策の枠組みのあり方について再検討しているものの、デイリー氏は自身の発言がその取り組みに関連しているわけではないと説明した。
FRBは、現在公表している当局者による金利予測の分布図「ドット・プロット」を変更する可能性も含めて公表方法を変えることが予想されている。