威圧的貿易政策で不均衡解消できず、国際ルール尊重を=ECB総裁

欧州中央銀行(ECB)のラガルド総裁は11日、威圧的な貿易政策は財政の不均衡を解消することができず、相互の経済的打撃のリスクが非常に大きいとし、全当事者が緊張解消に向けた政策の調整を検討する必要があるとの認識を示した。写真はフランクフルトで1月撮影。(2025年 ロイター/Kai Pfaffenbach/File Photo)
[フランクフルト 11日 ロイター] - 欧州中央銀行(ECB)のラガルド総裁は11日、威圧的な貿易政策は財政の不均衡を解消することができず、相互の経済的打撃のリスクが非常に大きいとし、全当事者が緊張解消に向けた政策の調整を検討する必要があるとの認識を示した。
中国を訪問したラガルド氏は中国人民銀行(中央銀行)で、全ての国が責任を取る必要があり、供給や需要の過剰をもたらしている政策を調整すべきと指摘した。「国内の生産能力を高めることを目的とした産業政策の利用が急増している。2014年以降、世界貿易をゆがめる補助金関連の介入は世界全体で3倍以上に増加した」と述べた。
中国は輸出向け品目を中心に政府が補助金で国内企業を支援していると指摘されているが、ラガルド氏は、補助金政策は中国だけでなく、新興国など他の国も取っていると述べた。
また世界の需要に占める米国の割合が近年急拡大しているが、その一端には公共部門の過剰な支出があり、不均衡につながっていると指摘した。
国際ルールを尊重し、相互利益に根ざした二国間協定や地域協定を結ぶことが対立を解決すると述べた。