米ウェルズ・ファーゴ、年内の個人向け融資「減る可能性も」=CFO

米銀行大手ウェルズ・ファーゴのマイク・サントマッシモ最高財務責任者(CFO)は10日の投資家向けの会議で、米国での個人向け融資が年内に「大幅な伸びは期待できず、減る可能性もある」との見通しを示した。写真はニューヨークで4日撮影。(2025年 ロイター/Kylie Cooper/ File Photo)
[ニューヨーク 10日 ロイター] - 米銀行大手ウェルズ・ファーゴのマイク・サントマッシモ最高財務責任者(CFO)は10日の投資家向けの会議で、米国での個人向け融資が年内に「大幅な伸びは期待できず、減る可能性もある」との見通しを示した。一方、トランプ米政権の関税政策が不確実なため、商業用融資の伸びを見込むことはより少し難しいと言及した。
ウェルズ・ファーゴのチャーリー・シャーフ最高経営責任者(CEO)は先週のロイターのインタビューで、クレジットカードと投資銀行、資産運用、商業銀行などの大部分の事業が成長できるように力を入れると語っていた。
ウェルズ・ファーゴは行員が数百万もの不正口座を開設するなどの不祥事を起こしたのを受け、米連邦準備理事会(FRB)が約7年間課していた1兆9500億ドルの資産上限規制を解除されたばかり。会議に同席した米金融大手JPモルガン・チェースのジェイミー・ダイモンCEOは「ウェルズ・ファーゴは、そこから脱却するために長く困難な道のりを歩んできた」とした上で、ウェルズ・ファーゴは良いリターンを得ており、野心もあるとの見解を示した。
トランプ米大統領の輸入関税引き上げと税制・歳出法案が市場を動揺させ、経済の不確実性が高まった中で企業の合併・買収(M&A)は今年に入って鈍化している。それでも、サントマッシモ氏はウェルズ・ファーゴの投資銀行事業の「シェアが少し拡大し始めている」とし、「当社は以前ならば参加できなかったような案件の多くが回復しているのを間違いなく目にしている」と訴えた。
会議に同席した米銀行大手シティグループのバンキング部門責任者、ビス・ラガバン氏はM&Aの交渉は引き続き「非常に活発だ」と強調した。