独首相、ウニクレディトのコメルツ銀株出資比率引き上げに反対

ドイツのメルツ首相は、コメルツ銀行の従業員代表委員会に書簡を送り、イタリアの同業大手ウニクレディトによるコメルツ銀への出資比率引き上げに反対すると伝えた。写真はフランクフルトで2月撮影。(2025年 ロイター/Kai Pfaffenbach/File Photo)
[ベルリン 10日 ロイター] - ドイツのメルツ首相は、コメルツ銀行の従業員代表委員会に書簡を送り、イタリアの同業大手ウニクレディトによるコメルツ銀への出資比率引き上げに反対すると伝えた。5月26日付の書簡が今月10日にリンクトインで公開された。
メルツ氏は書簡で、ウニクレディトの動きは受け入れられず、特にコメルツ銀のように金融システム上で重要な国内行の場合はなおさらだと強調した。
ウニクレディトは昨年、デリバティブ取引を通じてコメルツ銀への出資比率を28%程度まで引き上げ、今年3月には欧州中央銀行(ECB)から29.9%までの引き上げる承認を得ていた。ドイツの規則では、持ち分が30%を超えれば公開買い付けによる買収提案をする義務が生じる。
コメルツ銀の買収につながる可能性があるウニクレディトの出資についてメルツ氏は以前から、中堅企業や輸出関連企業の資金調達に「重大な影響」を及ぼすとして断固反対すると公言していた。
クリングバイル財務相は「首相が声を上げてくれたことを大変感謝している」と語り、首相に声明だけでも政治的に重要なシグナルだが、政治的な対話にも乗り出し、結果が出ればすぐに公表すると付け加えた。