豊田織株が急落、トヨタGのTOB受け入れ発表でプレミアム期待剥落

6月4日の東京株式市場で豊田自動織機が急落している。写真は2024年12月、東京証券取引所で撮影(2025年 ロイター/Kim Kyung-Hoon)
[東京 4日 ロイター] - 4日の東京株式市場で豊田自動織機が急落している。同社は3日、トヨタグループによる買収提案を受け入れて株式を非公開化すると発表し、買付価格にさや寄せする動きとなっている。株価は一時13%超安の1万5975円に下落した。
買付価格は1株1万6300円で、前日の終値1万8400円を大きく下回った。市場では「個人投資家を中心にプレミアム(上乗せ)が加わるとの期待があったが、剥落したようだ」(東洋証券の大塚竜太ストラテジスト)との声が聞かれる。12月上旬のTOB開始を目指す。
同時にトヨタやデンソーなどグループ各社との株式持ち合いを解消する。豊田織はトヨタ自動車の源流企業で、2024年9月時点でトヨタが筆頭株主として約24%の株式を保有する一方、豊田織機もトヨタ株を9.07%、デンソー株を5.41%保有するなどしている。
豊田織はここ数年、株主の投資ファンドから親子上場や株式持ち合いの解消、資本コストや株価を意識した経営の実現など、さまざまな要求を受けてきた。