米FRB、ウェルズ・ファーゴの資産上限規制を解除

6月3日、米連邦準備理事会(FRB)は行員が数百万もの不正口座を開設するなどの不祥事を起こした米銀行大手ウェルズ・ファーゴに約7年間課していた1兆9500億ドルの資産上限規制を解除したと発表した。写真はシアトルの同銀支店。2024年12月撮影(2025年 ロイター/Chris Helgren)
[ワシントン 3日 ロイター] - 米連邦準備理事会(FRB)は3日、行員が数百万もの不正口座を開設するなどの不祥事を起こした米銀行大手ウェルズ・ファーゴに約7年間課していた1兆9500億ドルの資産上限規制を解除したと発表した。理事会が全会一致で賛成した。今後ウェルズ・ファーゴは資産規模の拡大を追求できるようになり、2019年の就任後に改革を進めてきたチャーリー・シャーフ最高経営責任者(CEO)にとって大きな成果となった。
FRBは声明で、18年に出した是正命令に定めた企業統治とリスク管理プログラムの改善などで同行は「実質的な進展」を遂げ、外部の専門家による検証を踏まえて解除を判断したと説明した。
シャーフ氏は銀行の改革にとって「極めて重要なマイルストーンだ」とし、「私たちが成し遂げた任務のおかげでこれまでとは違う、はるかに強い会社になった」とのコメントを出した。今回の規制解除を踏まえ、フルタイムで勤務する行員全員に2000ドルの賞与を支給することを明らかにした。
投資家は事業拡大への期待感を高め、ウェルズ・ファーゴの3日の株価は2%超上昇した。
JPモルガン株を保有するザックス・インベストメント・マネジメントの顧客ポートフォリオマネージャー、ブライアン・マルベリー氏は「短期的には株価を大きく押し上げ、長期的な成長への道を切り開くことになる」と評価した。
16年に発覚したウェルズ・ファーゴの不祥事では、同行が本来不要の住宅ローン手数料を顧客に請求したり、行員が販売目標を達成するため顧客に必要のない自動車保険に加入させたりしていたことも明らかになっていた。