NY外為市場=ドル上昇、前日の売りから反転 関税懸念は払しょくされず

ニューヨーク外為市場では、ドルが上昇し、対ユーロで6週間ぶりの安値から反発した。2022年7月撮影(2025年 ロイター/Dado Ruvic)
[ニューヨーク 3日 ロイター] - ニューヨーク外為市場では、ドルが上昇し、対ユーロで6週間ぶりの安値から反発した。ただ、市場ではトランプ米政権が掲げる関税措置に対する警戒感は払しょくされていない。
米ホワイトハウスのレビット報道官は、トランプ大統領がこの日のうちに、米国が輸入する鉄鋼・アルミニウム製品にかける追加関税を2倍の50%に引き上げる大統領令に署名すると表明。トランプ氏は5月30日、50%への関税引き上げを6月4日から実施すると明らかにしていた。4日はトランプ政権が各国に貿易交渉における最善の提案を提出するよう求めている期限でもある。
INGのストラテジスト、フランチェスコ・ペソーレ氏は「関税を巡る動きは極めて重要だ」とし、「トランプ大統領と中国の習近平国家主席は週内にも会談すると見られているが、これまでの直接対話が緊張緩和につながったこともある。このため、週内のいずれかの時点でドルにプラスになるサプライズがもたらされる可能性がある」と述べた。
終盤の取引でドル/円は0.9%高の144.00円。ユーロ/ドルは0.6%安の1.1371ドル。ユーロは一時1.1454ドルと、6週間ぶり高値を付けていた。
バノックバーン・グローバル・フォレックスのチーフ市場ストラテジスト、マーク・チャンドラー氏は「ドルは大幅に売られた後、やや反発した」と指摘。ただ「ドルが意味のある形で転換したことを示す新たな材料はない」とし、この日の反発は限定的なものとの見方を示した。
この日発表の米経済指標では、4月の雇用動態調査(JOLTS)で求人件数が19万1000件増の739万1000件。ただ、関税の影響で経済見通しが悪化する中、解雇も増加した。
英ポンドは0.2%安の1.3519ドル。 暗号資産(仮想通貨)ビットコインは1.2%高の10万6219ドル。
ドル/円 NY午後4時 144.07/144.08
始値 143.05
高値 144.10
安値 143.05
ユーロ/ドル NY午後4時 1.1368/1.1370
始値 1.1397
高値 1.1399
安値 1.1365