ニュース速報
ビジネス

午前のドルは143円前半へ一段安、日米財務相会談後の円安すぐ収束

2025年05月22日(木)12時50分

 午前のドルは143円台で上値の重い展開となった。2023年3月撮影(2025年 ロイター/Dado Ruvic)

Shinji Kitamura

[東京 22日 ロイター] - 午前のドルは143円台で上値の重い展開となった。日米財務相会談で為替水準に関する協議がなかったとして一時144円半ばまで上昇したが、米財政問題への警戒感などを背景としたドル売り圧力の強さは変わらず、ドルは会談前の水準を割り込んで一段安となった。

日本時間午前7時前、米財務省が発表文書で、今回の会談で「為替水準に関する議論はなかった」ことを明らかにすると、ドルはそれまで推移していた143円半ばから144円半ばへ急速に上昇した。

しかし、直後の買いが一巡すると次第に売りが優勢となり、ドルはじり安基調へに転換。カナダを訪問中の加藤勝信財務相が、ベセント米財務長官と「引き続き2国間の諸問題について緊密かつ建設的に協議を続けていくことで一致した」と従来と変わらない姿勢を示した後、ドルは143円半ばと会談前の水準へ反落した。

その後「会談終了直後にドルを買い上がった向き(が損失確定の売りに動く)のストップロスを巻き込んだ」(FX会社ディーラー)ことで、ドルは143円前半まで下げ幅を拡大。午前11時過ぎには143.15円を付けて、5月7日以来、約2週間ぶり安値を更新した。

会談後に進んだドル高/円安が2時間程度で収束したのは、会談後も円安是正の思惑がくすぶっていることやドルの先安観が根強いことが要因だと、バークレイズ証券為替債券調査部長の門田真一郎氏は話す。

「今回は無事に交渉を終えたが、トランプ米大統領が根本的にドル高を懸念しているとみられることは変わらない。円安が進んでも良いという話でもなく、懸念が全て解消したということではない」という。

ロイター
Copyright (C) 2025 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

英、ガザ支援で400万ポンド拠出 イスラエルに支援

ビジネス

インタビュー:トランプ関税の影響、当初想定より2割

ワールド

スリランカ中銀が予想外の利下げ、成長加速と米関税対

ワールド

米首都で銃撃、イスラエル大使館員2人死亡 容疑者1
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:関税の歴史学
特集:関税の歴史学
2025年5月27日号(5/20発売)

アメリカ史が語る「関税と恐慌」の連鎖反応。歴史の教訓にトランプと世界が学ぶとき

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    ドローン百機を一度に発射できる中国の世界初「ドローン母船」の残念な欠点
  • 2
    【クイズ】EVの電池にも使われる「コバルト」...世界の生産量の70%以上を占める国はどこ?
  • 3
    【定年後の仕事】65歳以上の平均年収ランキング、ワースト2位は清掃員、ではワースト1位は?
  • 4
    人間に近い汎用人工知能(AGI)で中国は米国を既に抜…
  • 5
    「空腹」こそが「未来の医療」になる時代へ...「ファ…
  • 6
    コストコが「あの商品」に販売制限...消費者が殺到し…
  • 7
    【クイズ】世界で1番「太陽光発電」を導入している国…
  • 8
    子育て世帯の年収平均値は、地域によってここまで違う
  • 9
    トランプは日本を簡単な交渉相手だと思っているが...…
  • 10
    【クイズ】世界で2番目に「自動車の生産台数」が多い…
  • 1
    【定年後の仕事】65歳以上の平均年収ランキング、ワースト2位は清掃員、ではワースト1位は?
  • 2
    日本はもう「ゼロパンダ」でいいんじゃない? 和歌山、上野...中国返還のその先
  • 3
    ワニの囲いに侵入した男性...「猛攻」を受け「絶叫」する映像が拡散
  • 4
    ドローン百機を一度に発射できる中国の世界初「ドロ…
  • 5
    【クイズ】EVの電池にも使われる「コバルト」...世界…
  • 6
    コストコが「あの商品」に販売制限...消費者が殺到し…
  • 7
    【クイズ】世界で1番「太陽光発電」を導入している国…
  • 8
    中ロが触手を伸ばす米領アリューシャン列島で「次の…
  • 9
    「空腹」こそが「未来の医療」になる時代へ...「ファ…
  • 10
    人間に近い汎用人工知能(AGI)で中国は米国を既に抜…
  • 1
    【定年後の仕事】65歳以上の平均年収ランキング、ワースト2位は清掃員、ではワースト1位は?
  • 2
    日本史上初めての中国人の大量移住が始まる
  • 3
    日本旅行が世界を魅了する本当の理由は「円安」ではない
  • 4
    日本はもう「ゼロパンダ」でいいんじゃない? 和歌山…
  • 5
    脂肪は自宅で燃やせる...理学療法士が勧める「3つの…
  • 6
    「2025年7月5日に隕石落下で大災害」は本当にあり得…
  • 7
    【クイズ】世界で2番目に「軍事費」が高い国は?...1…
  • 8
    部下に助言した時、返事が「分かりました」なら失敗…
  • 9
    5月の満月が「フラワームーン」と呼ばれる理由とは?
  • 10
    ワニの囲いに侵入した男性...「猛攻」を受け「絶叫」…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中