米からの大規模資金流出なし、金利決定に時間的余裕=NY連銀総裁

ウィリアムズ米ニューヨーク連銀総裁は19日、米連邦準備理事会(FRB)の金利政策は不透明な経済見通しに対処する上で適切な位置にあると述べた。ニューヨークで2024年5月撮影(2025年 ロイター/Andrew Kelly)
Michael S. Derby
[ニューヨーク 19日 ロイター] - ウィリアムズ米ニューヨーク連銀総裁は19日、投資家が米国資産の投資方法を見直しているとの見方を認めつつ、米国から大規模な資金流出は見られないとの認識を示した。また、米連邦準備理事会(FRB)は次回の金利決定まで時間をかけられるとの考えも示した。
ウィリアムズ氏はニューヨークで開催された米抵当銀行協会主催の会合で、政府の大きな政策変更や不確実性の高さを背景に、投資家の間で米国債や他のドル資産への多額の投資を巡る懸念がここ数カ月で聞かれるようになったと言及。
米国市場での投資家による資金の運用方法については「大きな変化は見られない」ものの、米債市場では「価格に若干の影響が見られた」との見方を示した。
ウィリアムズ氏はまた、投資家はこれまで米国を投資先として最適な場所だと捉えており、現在もその見方は健在だと指摘。ただ、ボラティリティーと不確実性が高まる中で、投資家は「ポートフォリオの構成」を改めて考えるようになっていると述べた。
そのほか、米政府の政策転換を踏まえると、経済の現状を「明確に把握するには時間がかかるだろう」とし、金利政策の方向性を見極めるために「時間をかけることができる」と述べた。トランプ政権の関税政策を巡る影響については、すぐには明確にならないだろうとの見方も示した。
ウィリアムズ氏はこれに先立ち、FRBの金利政策は不透明な経済見通しに対処する上で適切な位置にあるとの考えを表明。最近のデータには、今後問題が生じる可能性を示唆するものもあるが現在のところ「経済は非常に好調だ」と述べた。
FRBの金利政策は成長を若干制限するものだとし、今後予想される状況に対し「良い位置にある」との認識を示した。