シティ、北海ブレントの短期予測引き下げ 米・イラン合意の可能性

5月8日、 シティ・リサーチは北海ブレント原油の3カ月価格見通しを従来の1バレル=60ドルから55ドルに引き下げた。写真はボスポラス海峡を航行するタンカー。1月撮影(2025年 ロイター/Yoruk Isik)
[8日 ロイター] - シティ・リサーチは8日、北海ブレント原油の3カ月価格見通しを従来の1バレル=60ドルから55ドルに引き下げた。
米国とイランの核協議が再開され、最終的に合意に達するとの見方が浮上していることが背景。
合意が成立し、制裁が緩和されれば、市場の供給が増え、1バレル=50ドルに向けて下落する可能性がある。
ただ、合意に至らず、イランの核開発を制限するなど、潜在的に事態の悪化を招く措置が講じられれば、70ドル以上に値上がりする可能性があるとしている。
「我々は最終的な合意に向かう確率の目安を60%:40%とみている」と述べた。
バンス米副大統領は7日、米国とイランの協議は「これまでのところ順調」とし、イランの核兵器保有を阻止しつつ同国を世界経済に再統合させる合意の成立は可能という認識を示した。
シティは今年の長期予測は60ドルで維持した。「最近の売りは、関税と石油輸出国機構(OPEC)プラスによる速やかな供給拡大によるものだが、これは一時停止や反転の可能性がある」と述べた。
一方、ANZは今後3カ月の見通しを55ドルで据え置いた。ただ、リスクは「明確に下振れ方向に偏っている」としている。