ニュース速報
ビジネス

TikTok、米での利用遮断を準備中 新法発効の19日に=関係筋

2025年01月16日(木)11時23分

中国系動画投稿アプリ「TikTok(ティックトック)」は米国内での利用禁止につながる新法を巡り、米連邦最高裁による差し止め命令がない場合は発効する19日に米国ユーザー向けアプリの利用を遮断する予定だ。資料写真(2025年 ロイター/Dado Ruvic)

David Shepardson Krystal Hu

[ワシントン/ニューヨーク 15日 ロイター] - 中国系動画投稿アプリ「TikTok(ティックトック)」は米国内での利用禁止につながる新法を巡り、米連邦最高裁による差し止め命令がない場合は発効する19日に米国ユーザー向けアプリの利用を遮断する予定だ。関係筋が明らかにした。

TikTokが米国内の全ユーザー1億7000万人による利用を遮断すれば、法律で義務付けられた内容とは異なる結果となる。

同法はアプリストアでTikTokを新規にダウンロードすることのみを禁じており、既存ユーザーはしばらくの間アプリを使い続けることができる。ただ、米企業がTikTokの配布、メンテナンス、アップデートを可能にするサービスを提供することも禁じられる。

米紙ワシントン・ポストは15日、トランプ次期大統領が新法の施行を60─90日間停止する大統領令を検討していると報じた。

新法の発効翌日に就任するトランプ氏は、自身の就任後に「政治的な解決」を検討する時間が必要だと述べている。

次期政権で国家安全保障担当の大統領補佐官となるマイク・ウォルツ氏は15日、FOXニュースに対し「TikTok自体は素晴らしいプラットフォームだ。われわれは個人のデータを守りながらTikTokを維持する方法を見つける」と語った。

関係筋によると、TikTokの計画では、アプリを開こうとするとポップアップメッセージが表示され、禁止に関する情報が掲載されたウェブサイトに誘導される。

TikTokはまた、ユーザーが個人情報の記録を持ち出せるよう、全てのデータをダウンロードできるオプションも提供する予定だという。

TikTokは先月の裁判所提出書類で、米国でTikTokを遮断すると、他の多くの国のユーザーが利用できなくなる可能性があると述べた。米国内の数百のサービスプロバイダーが、世界中のユーザーの利用を支援しているためという。

関係筋によると、遮断の目的はサービスプロバイダーを法的責任から守り、トランプ氏が禁止の解除に動いた場合に業務を再開しやすくすることだという。

関係筋の一人はサービスの遮断に長期的な計画は必要ないと述べ、今週の時点でほとんどの業務は通常通り続けられていると指摘した。新法が後に撤回されれば、TikTokは比較的短時間で米国ユーザー向けのサービスを再開できるという。

ロイターはTikTokとその親会社である中国の字節跳動(バイトダンス)にコメントを求めたが、返答は得られていない。

ロイター
Copyright (C) 2025 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

あわせて読みたい
ニュース速報

ビジネス

テマセク、運用資産が過去最高 米国リスクは峠越えた

ワールド

マレーシア、対米関税交渉で「レッドライン」は越えず

ビジネス

工作機械受注、6月は0.5%減、9カ月ぶりマイナス

ビジネス

米製薬メルク、英ベローナ買収で合意間近 100億ド
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:大森元貴「言葉の力」
特集:大森元貴「言葉の力」
2025年7月15日号(7/ 8発売)

時代を映すアーティスト・大森元貴の「言葉の力」の源泉にロングインタビューで迫る

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    日本企業の「夢の電池」技術を中国スパイが流出...APB「乗っ取り」騒動、日本に欠けていたものは?
  • 2
    「弟ができた!」ゴールデンレトリバーの初対面に、ネットが感動の渦
  • 3
    トランプ関税と財政の無茶ぶりに投資家もうんざり、「強いドルは終わった」
  • 4
    「ヒラリーに似すぎ」なトランプ像...ディズニー・ワ…
  • 5
    犯罪者に狙われる家の「共通点」とは? 広域強盗事…
  • 6
    シャーロット王女の「ロイヤル・ボス」ぶりが話題に..…
  • 7
    名古屋が中国からのフェンタニル密輸の中継拠点に?…
  • 8
    自由都市・香港から抗議の声が消えた...入港した中国…
  • 9
    人種から体型、言語まで...実は『ハリー・ポッター』…
  • 10
    「けしからん」の応酬が参政党躍進の主因に? 既成…
  • 1
    ディズニー・クルーズラインで「子供が海に転落」...父親も飛び込み大惨事に、一体何が起きたのか?
  • 2
    「やらかした顔」がすべてを物語る...反省中のワンコに1400万人が注目
  • 3
    後ろの川に...婚約成立シーンを記録したカップルの幸せ映像に「それどころじゃない光景」が映り込んでしまう
  • 4
    【クイズ】「宗教を捨てる人」が最も多い宗教はどれ?
  • 5
    職場でのいじめ・パワハラで自死に追いやられた21歳…
  • 6
    日本企業の「夢の電池」技術を中国スパイが流出...AP…
  • 7
    「弟ができた!」ゴールデンレトリバーの初対面に、…
  • 8
    為末大×TAKUMI──2人のプロが語る「スポーツとお金」 …
  • 9
    シャーロット王女の「ロイヤル・ボス」ぶりが話題に..…
  • 10
    「本物の強さは、股関節と脚に宿る」...伝説の「元囚…
  • 1
    「コーヒーを吹き出すかと...」ディズニーランドの朝食が「高額すぎる」とSNSで大炎上、その「衝撃の値段」とは?
  • 2
    「あまりに愚か...」国立公園で注意を無視して「予測不能な大型動物」に近づく幼児連れ 「ショッキング」と映像が話題に
  • 3
    庭にクマ出没、固唾を呑んで見守る家主、そして次の瞬間...「信じられない行動」にネット驚愕
  • 4
    10歳少女がサメに襲われ、手をほぼ食いちぎられる事…
  • 5
    JA・卸売業者が黒幕説は「完全な誤解」...進次郎の「…
  • 6
    ディズニー・クルーズラインで「子供が海に転落」...…
  • 7
    気温40℃、空港の「暑さ」も原因に?...元パイロット…
  • 8
    燃え盛るロシアの「黒海艦隊」...ウクライナの攻撃で…
  • 9
    「小麦はもう利益を生まない」アメリカで農家が次々…
  • 10
    イランを奇襲した米B2ステルス機の謎...搭乗した専門…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中