再送米CPI、8月は2.5%に鈍化 基調インフレに依然粘着性
米労働省が11日発表した8月の消費者物価指数(CPI)は、前月比0.2%上昇し、上昇幅は前月と変わらなかった。ニューヨーク市内のスーパーマーケットで2022年撮影。(2024年 ロイター/Andrew Kelly/File Photo)
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[ワシントン 11日 ロイター] - 米労働省が11日発表した8月の消費者物価指数(CPI)は、前年比2.5%上昇した。前月の2.9%から鈍化し、2021年2月以来の小幅な伸びとなった。ただ、基調インフレにはなお粘着性が見られ、来週の米連邦公開市場委員会(FOMC)での0.5%ポイント利下げは正当化されない可能性がある。
CPIは、前月比では0.2%上昇。上昇幅は前月と変わらなかった。
ロイター調査によるエコノミスト予想は前年2.6%上昇、前月比0.2%上昇だった。
ネイションワイドのシニアエコノミスト、ベン・エアーズ氏は「住宅費やサービスコストへの長引く圧力が再び高まる中、インフレ正常化への道は8月に障害にぶつかった」と指摘。「米連邦準備理事会(FRB)当局者はくすぶる物価上昇モメンタムへの慎重姿勢を維持しており、来週は0.25%ポイントの小幅な利下げにとどまるだろう」と述べた。
JPモルガン・ウェルスマネジメントの投資戦略責任者、エリース・オーゼンボー氏は「利下げサイクルは積極的なものではなく、緩やかなものになるとの見通しを市場は受け入れなければならない」とした。
CMEのフェドウォッチによると、金融市場が見込む17─18日のFOMCでの0.50%ポイント利下げの確率は約15%と、CPI発表前の29%から低下。0.25%ポイント利下げの確率は約85%で、71%から上昇した。
8月は食品が前月比0.1%上昇。過去2カ月は0.2%上昇していた。
エネルギーは0.8%下落した。7月は横ばいだった。ガソリン価格も0.6%下落した。
変動の大きい食品とエネルギーを除くコアCPIは、前年比3.2%上昇で前月と変わらず。前月比は0.3%上昇で、7月の0.2%上昇から小幅加速した。エコノミスト予想は前年比が3.2%上昇、前月比が0.2%上昇だった。
パンテオン・マクロエコノミクスのチーフエコノミスト、イアン・シェパードソン氏は、コアCPIの伸びは向こう数カ月で緩和し、2025年上半期には2%に達するとの予想を変えていないと述べた。
<サービス価格上昇、モノの価格は下落>
サービス価格は、2カ月連続で0.3%上昇。家賃を除くサービス価格は2カ月連続で横ばいだったが、8月は0.1%上昇した。
ホテルの宿泊料を含む住居費は0.5%上昇し、コア指数を押し上げた。
帰属家賃(OER)は0.5%上昇した。7月は0.4%上昇だった。ホテルなどの宿泊料も1.8%急伸し、伸びは前月の0.2%から加速した。
モノ(財)の価格は、2カ月連続で0.1%下落。中古車・トラックは1%下落、家具、医療、通信、娯楽なども小幅下落したものの、住居費の上昇に相殺された。