中国バイオ企業との取引制限法案、米下院が可決 無錫薬明康徳など
9月9日、米下院は国家安全保障上の懸念を理由に中国の無錫薬明康徳新薬開発や華大基因(BGI)など複数のバイオテクノロジー企業との取引を制限することを目的とした法案を可決した。写真は無錫薬明康徳新薬開発の施設。3月、米サンディエゴで撮影(2024年 ロイター/Michael Erman)
Karen Freifeld
[9日 ロイター] - 米下院は9日、国家安全保障上の懸念を理由に中国の無錫薬明康徳新薬開発や華大基因(BGI)など複数のバイオテクノロジー企業との取引を制限することを目的とした法案を可決した。
対象となる企業およびそれらと取引する企業との連邦政府との契約を禁止する。
法案の支持者らは、米国民の遺伝子や健康に関する個人情報と医薬品の国内サプライチェーン(供給網)を保護するために必要だと主張している。
可決に必要とされる3分の2以上の賛成を上回る306対81で可決された。
法案が上院を通過すれば、バイデン米大統領に送られることになる。上院本会議で同法案がいつ採決されるかや、採決されるかどうかは不明。
中国外務省の毛寧報道官は記者会見で、同法案は「差別的」であり、米国は中国企業を抑圧する「言い訳」をやめるべきだと述べた。「中国は自国企業の正当な権利と利益を断固として守り続ける」と強調した。
10日の香港市場で無錫薬明康徳は一時11%、薬明生物は9%それぞれ下落した。
無錫薬明康徳は声明で、正当な手続きなしに不当な方法で指定されたとして、下院の法案可決に失望を表明した。
BGIグループは「米国の立法プロセスが勝者と敗者を選ぶために使われていることに失望している」とし、国家安全保障上のリスクはないと改めて訴えた。
MGIは、同社と子会社のコンプリート・ゲノミクスは装置を手がけており、患者の遺伝子データにアクセスしたり収集したり管理したりすることはないと指摘した。