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NY市場サマリー(24日)ドル一時155円台前半で介入警戒感、利回り上昇 株まちまち

2024年04月25日(木)07時13分

<為替> 円が一時1ドル=155.37円と、1990年半ば以来の安値を付けた。市場では日本当局による介入の兆候への警戒感が強まっている。

ドル/円はその後、不安定な値動きとなる中、上げ幅を縮小し、終盤の取引では約0.3%高の155.26円。

自民党の越智隆雄・衆議院議員はロイターとのインタビューで、ドルが160円方向に急速に振れていく場合は経済政策運営担当者や通貨当局者が対応を迫られる可能性があると指摘。為替の水準について自民党内で議論は盛り上がっていないが、仮に「160円、170円となってくると、経済政策運営の担当者が追加の円安対策など何か手を打たなければならないと考えるかもしれない」と語った。

TDセキュリティーズのグローバルFXストラテジスト、ジャヤティ・バラドワジ氏は「ドル/円の動きは幅広いドル再評価の動きと一致している。日銀(の介入)を巡る思惑が主導するものではなく、ファンダメンタルズに裏打ちされた広範なドル円の動き」と述べた。

主要通貨に対するドル指数は0.2%高の105.84。23日発表された低調な米指標と好調なユーロ圏指標が引き続き材料視され、一時2週間ぶりの安値となる105.59を付ける場面もあった。

また、24日朝に発表された3月の米耐久財受注統計が企業の設備投資が第1・四半期に鈍化した可能性が示唆したことを受け、ドルは上げ幅を縮小した。      ユーロ/ドルは1.0697ドルでほぼ変わらず、ポンド/ドルは0.1%高の1.2460ドル。

豪ドル/米ドルは0.1%高の0.6497米ドル。第1・四半期の豪消費者物価指数(CPI)が予想以上に上昇し、年内利下げ観測が後退したことを受け、豪ドルは一時0.6530米ドルまで上昇した。

26日に発表される米個人消費支出(PCE)価格指数に注目が集まる。米連邦準備理事会(FRB)は同指標を物価目標として重視している。CMEのフェドウオッチによると、FRBが9月までに利下げに踏み切る確率は70%とみられている。

<債券> 国債利回りが上昇した。トレーダーらはFRBの政策を巡りさらなる手掛かりを求め、25日の第1・四半期米GDP速報値と26日発表の3月個人消費支出(PCE)価格指数を待つ姿勢を取っている。

指標となる10年債利回りは5ベーシスポイント(bp)上昇し4.646%となった。2年債利回りは3bp上昇し4.933%だった。

2年債と10年債の利回り格差はマイナス29bpと、2bp縮小した。

フェデラルファンド(FF)金利先物市場が織り込む年内の利下げ幅は43bp。

財務省はこの日、過去最高額となる700億ドル規模の5年債入札を実施した。この入札は前日に行われた690億ドルの2年債入札に続き、強い需要があった。

財務省は25日にもに440億ドルの7年債入札を実施する。

<株式> 不安定な地合いの中、まちまちで取引を終えた。米債利回りの上昇が重しとなる一方、ハイテク大手を中心とする好調な企業業績が期待されている。

この日行われた過去最高額となる700億ドル規模の米5年債入札は国債利回りを押し上げ、株価を圧迫した。10年債利回りは5bp上昇し、4.6459%となった。

S&P総合500種はほぼ横ばい。ダウは反落し、ナスダックは上昇した。S&P500種の11セクター中7セクターが上昇した。

メタ・プラットフォームズは時間外取引で11%下落した。第1・四半期の売上高は予想を上回ったが、2024年の設備投資が最大400億ドルに達するとの見通しを示したことが嫌気された。

マイクロソフトとアルファベットも今週決算を発表する。

テスラは12%上昇。前日発表した四半期決算は低調だったが、新モデルを前倒しして2025年の早い時期に投入すると発表したことに支援された。

ボーイングは2.8%安。第1・四半期決算が7四半期ぶりの減収となったことに圧迫された。

テキサス・インスツルメンツ(TI)は5.6%高。前日の決算発表時に示した第2・四半期見通しが市場予想を上回った。

半導体株の大半が堅調となり、フィラデルフィア半導体指数も上昇して引けた。

<金先物> 主要な米経済指標発表を控えたポジション調整の売りに3日続落した。中心限月6月物の清算値(終値に相当)は前日比3.70ドル(0.16%)安の1オンス=2338.40ドル。

<米原油先物> 中東情勢悪化への過度な警戒感の後退を背景に反落した。米国産標準油種WTIの中心限月6月物の清算値(終値に相当)は前日比0.55ドル(0.66%)安の1バレル=82.81ドルだった。7月物は0.47ドル安の82.09ドル。

中東情勢の緊迫化に伴うエネルギー供給不安を背景とした買いが一巡したことが相場を下押した。市場では、イスラエルとイランの対立激化の過程で、原油相場にかなりの「リスクプレミアム」が上乗せされたとみられており、両国の攻撃応酬がひとまず収まっていることで、こうしたプレミアム分が縮小しつつある。

ただ、中東情勢の先行きには依然として不透明感がくすぶっている。

ドル/円 NY終値 155.34/155.35

始値 154.93

高値 155.37

安値 154.78

ユーロ/ドル NY終値 1.0697/1.0701

始値 1.0687

高値 1.0706

安値 1.0679

米東部時間

30年債(指標銘柄) 17時05分 91*21.00 4.7775%

前営業日終値 92*15.00 4.7230%

10年債(指標銘柄) 17時05分 94*30.00 4.6479%

前営業日終値 95*10.00 4.5980%

5年債(指標銘柄) 17時05分 97*21.00 4.6618%

前営業日終値 97*26.50 4.6220%

2年債(指標銘柄) 17時05分 99*28.63 4.9310%

前営業日終値 99*30.25 4.9050%

終値 前日比 %

ダウ工業株30種 38460.92 -42.77 -0.11

前営業日終値 38503.69

ナスダック総合 15712.75 +16.11 +0.10

前営業日終値 15696.64

S&P総合500種 5071.63 +1.08 +0.02

前営業日終値 5070.55

COMEX金 6月限 2338.4 ‐3.7

前営業日終値 2342.1

COMEX銀 5月限 2734.6 ‐1.6

前営業日終値 2736.2

北海ブレント 6月限 88.02 ‐0.40

前営業日終値 88.42

米WTI先物 6月限 82.81 ‐0.55

前営業日終値 83.36

CRB商品指数 297.0941 ‐0.4450

前営業日終値 297.5391

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