ニュース速報
ビジネス

基調的な物価、2%に向けて上昇なら金利引き上げていく=日銀総裁

2024年04月23日(火)11時54分

 4月23日、植田和男日銀総裁(写真)は参院財政金融委員会で、日銀の物価見通しが変化すれば短期金利の引き上げにつながるとの見方を示した。写真は都内で3月撮影(2024 ロイター/Kim Kyung-Hoon)

Takahiko Wada Yoshifumi Takemoto

[東京 23日 ロイター] - 植田和男日銀総裁は23日の参院財政金融委員会で、先行き、基調的な物価上昇率が日銀の見通しに沿って2%に向けて上昇していけば、金融緩和の度合いを調整し、短期金利を引き上げていくと述べた。物価・経済見通しやリスクが変化すれば、政策変更の理由になるとも話した。ただ、金利変更の時期や幅については、予断を持っているわけではないとした。

勝部賢志委員(立民)への答弁。

植田総裁は先週19日、訪問先の米ワシントンで行った講演で、基調的に物価が上昇し続ければ金利を引き上げる「可能性が非常に高い」との考えを示した。米国での記者会見や講演での一連の発言について植田総裁は「特に新しいことを話したというより、先々週までの記者会見や国会で話してきた内容をもう一度丁寧に説明した」と述べた。

短期の政策金利について、「経済・物価の見通しやリスクを丁寧に点検した上で、2%目標を持続的・安定的に実現していく観点から適切に設定していく」と説明した。「現状では基調的な物価上昇率は2%を下回っている」とし「緩和的な金融環境を維持していくことが適切だ」と述べた。

中東情勢の緊迫化については「地政学リスクの顕現化で金融市場に不穏な動きが発生すれば、流動性を機動的かつ柔軟に供給することで金融システムへの影響を極力極小化するようオペレーションに努める」とした。金融システムへの対応以外では「基調的な物価上昇率、あるいはその近い将来の姿にどういう影響を与えるか丁寧に点検した上で政策上の対応を決める」と述べた。

(和田崇彦、竹本能文 編集:田中志保)

ロイター
Copyright (C) 2024 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

米ISM非製造業総合指数、4月は49.4 1年4カ

ビジネス

米4月雇用17.5万人増、予想下回る 賃金伸び鈍化

ワールド

欧州委、中国EV3社に情報提供不十分と警告 反補助

ビジネス

米4月雇用17.5万人増、予想以上に鈍化 失業率3
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:世界が愛した日本アニメ30
特集:世界が愛した日本アニメ30
2024年4月30日/2024年5月 7日号(4/23発売)

『AKIRA』からジブリ、『鬼滅の刃』まで、日本アニメは今や世界でより消費されている

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    屋外に集合したロシア兵たちを「狙い撃ち」...HIMARS攻撃「直撃の瞬間」映像をウクライナ側が公開

  • 2

    ロシア兵がウクライナ「ATACMS」ミサイルの直撃を受ける瞬間の映像...クラスター弾炸裂で「逃げ場なし」の恐怖

  • 3

    常圧で、種結晶を使わず、短時間で作りだせる...韓国の研究チームが開発した「第3のダイヤモンド合成法」の意義とは?

  • 4

    サプリ常用は要注意、健康的な睡眠を助ける「就寝前…

  • 5

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミ…

  • 6

    「TSMC創業者」モリス・チャンが、IBM工場の買収を視…

  • 7

    ウクライナ軍ブラッドレー歩兵戦闘車の強力な射撃を…

  • 8

    「500万ドルの最新鋭レーダー」を爆破...劇的瞬間を…

  • 9

    ロシア軍の拠点に、ウクライナ軍FPVドローンが突入..…

  • 10

    元ファーストレディの「知っている人」発言...メーガ…

  • 1

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 2

    一瞬の閃光と爆音...ウクライナ戦闘機、ロシア軍ドローンを「空対空ミサイルで撃墜」の瞬間映像が拡散

  • 3

    どの顔が好き? 「パートナーに求める性格」が分かる4択クイズ

  • 4

    AIパイロットvs人間パイロット...F-16戦闘機で行われ…

  • 5

    日本マンガ、なぜか北米で爆売れ中...背景に「コロナ…

  • 6

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士…

  • 7

    「2枚の衛星画像」が伝える、ドローン攻撃を受けたロ…

  • 8

    常圧で、種結晶を使わず、短時間で作りだせる...韓国…

  • 9

    ロシアの大規模ウクライナ空爆にNATO軍戦闘機が一斉…

  • 10

    ウクライナ軍ブラッドレー歩兵戦闘車の強力な射撃を…

  • 1

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 2

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 3

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 4

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 5

    ロシアが前線に投入した地上戦闘ロボットをウクライ…

  • 6

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 7

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価…

  • 8

    一瞬の閃光と爆音...ウクライナ戦闘機、ロシア軍ドロ…

  • 9

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた…

  • 10

    NASAが月面を横切るUFOのような写真を公開、その正体…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中