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日銀保有ETFの簿価買い取り、許容されるか課題=鈴木財務相

2023年06月07日(水)15時31分

 6月7日、鈴木俊一財務相(写真)は衆院財務金融委員会で、日銀が保有する上場投資信託(ETF)の処分に関連し、少子化対策の観点も含めてETFを若年層に現物給付する活用案について「政府が財源確保目的で簿価で買い取るといったことが許容されるのかどうかという点を含め、考えていかなければならない」と述べ、課題があるとの認識を示した。写真は4月、米ワシントンで撮影(2023年 ロイター/Elizabeth Frantz)

[東京 7日 ロイター] - 鈴木俊一財務相は7日の衆院財務金融委員会で、日銀が保有する上場投資信託(ETF)の処分に関連し、少子化対策の観点も含めてETFを若年層に現物給付する活用案について「政府が財源確保目的で簿価で買い取るといったことが許容されるのかどうかという点を含め、考えていかなければならない」と述べ、課題があるとの認識を示した。階猛委員(立憲)の質問に答えた。

鈴木財務相は、日銀保有ETFの売却を含む取り扱いは「金融政策の一環として日銀で検討されるべき事項」としながら、これまで日銀は処分方針を定める際、市場などの状況を勘案し適正な対価によることとするなどと説明してきたと指摘。簿価で政府が買い取ったETFを若年層の投資の原資にする提案に関しては、ETFが売却されることによる株式市場への影響、証券口座非保有者への給付方法をどうするかなど、さまざまな論点があると語った。

一方、財金委に出席した植田和男総裁は、日銀が保有するETFについて「処分の具体的な方法に言及するのは早い」と指摘。その上で、処分価格は「時価をベースにすることになる」とした。2%物価目標の実現が近づいてきたら、ETF処分の具体的な戦略について金融政策決定会合で議論して適切に情報発信していきたいと述べた。

ロイター
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