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英中銀、緊急国債買い入れにインフレ連動債追加 市場鎮静図る
10月11日 イングランド銀行(英中央銀行)は11日、10月14日までの予定で実施している緊急国債買い入れ措置にインフレ連動債を追加すると発表した。写真はイングランド銀行の建物。10日、ロンドンで撮影(2022年 ロイター/Hannah McKay)
[ロンドン 11日 ロイター] - イングランド銀行(英中央銀行)は11日、10月14日までの予定で実施している緊急国債買い入れ措置にインフレ連動債を追加すると発表した。大型減税計画に端を発した市場の動揺を鎮めるため一段を措置を取った。
買い入れは長期国債買い入れと並行して11日から毎日実施する。一日当たりの買い入れ上限は50億ポンド。
英中銀は声明で「追加の買いオペは、インフレ連動債売りを一時的に吸収することによって秩序ある市場環境を回復する、さらなるバックストップの役割を果たすことになる」と述べた。
9月28日から実施している長期国債買い入れが想定を大きく下回る状態が続き、英中銀は10日に買い入れ上限の拡大を発表した。
しかし10日の買い入れ額は100億ポンドの上限に対し8億5310万ポンドにとどまり、英国債は下落。11日はこの日の発行を控えてインフレ連動債が売られていた。
英中銀は「週明けから英国債、特にインフレ連動債でさらなる厳しいリプライシングがみられる」と指摘。「市場の機能不全、やむを得ない『投げ売り』のうねりは英金融の安定に甚大なリスクをもたらしている」と述べた。
英年金基金協会(PLSA)は11日、声明で「イングランド銀行の介入以降、年金基金の間で主要な問題となっているのは、買い入れをあまりに早く終了させるべきではないということだ。(買い入れを)次の財政イベントがある10月31日まで、場合によってはそれ以降も継続すべきという意見が多い。仮に終了する場合も、市場の変動を抑える追加措置を講じるべきとの声も多い」と述べた。
INGのシニア金利ストラテジスト、アントワーヌ・ブーベ氏は「英中銀は英国債と社債の市場に介入しているが、より信頼できる長期計画なく土壇場の政策対応を絶え間なく行うことは市場を不安にさせる」と述べた。
年金コンサルタントXPSの最高投資責任者(CIO)、シメオン・ウィリス氏は、年金基金は流動性を求めて「全面的に」売却していると指摘。「一部の不動産ファンドが反応し、クレジットスプレッドが拡大し、株価が下落するなど、あらゆる資産クラスから(資金が)流出している」とした。
英中銀は11日、インフレ連動債を19億4700万ポンド(21億5000万ドル)購入した一方、応札があった4億6690万ポンドの英国債については全額落札しなかった。