クレディ・スイス損失、年30億ドルに膨らむ可能性＝ムーディーズ

　格付け会社ムーディーズ・インベスターズ・サービスは、クレディ・スイスの損失が年末までに３０億ドルに膨らみ、コア資本比率が１３％という重要な水準を下回る可能性があるとの予想を示した。写真はクレディ・スイスのロゴ。ジュネーブで６月撮影（２０２２年　ロイター／Denis Balibouse）

[ニューヨーク ６日 ロイター] - 格付け会社ムーディーズ・インベスターズ・サービスは、クレディ・スイスの損失が年末までに３０億ドルに膨らみ、コア資本比率が１３％という重要な水準を下回る可能性があるとの予想を示した。

筆頭アナリストのアレッサンドロ・ロカティ氏はロイターのインタビューに応じ、「今年下半期にも損失が発生すると予測している。通年で３０億ドルの損失を見込んでおり、普通株等Ｔｉｅｒ１比率（ＣＥＴ１）が１３％をわずかに下回ることになる」と述べた。

クレディ・スイスは上半期に１９億フラン（１９億２０００万ドル）の損失を計上。７月に年内はＣＥＴ１を１３─１４％で運営する見通しだとしていた。

ロカティ氏は、コア資本比率が１３％を「一貫して」下回るようであれば、クレディ・スイスにとって「クレジットネガティブ」だと語った。

ムーディーズは８月にクレディ・スイスの格付けを引き下げ、それ以降ネガティブ見通しを維持している。

ロカティ氏は「現在の市場環境は再編を支持するものではない」と指摘。クレディ・スイスは潜在的な資産売却にとって大きなハードルに直面しているとし、「ここ数カ月の神経質な市場と資産価格の下落を考えると、その戦略はおそらく実現不可能だ」と述べた。