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日経平均は大引け=続落、値がさ株が引き続き軟調 世界景気減速を警戒

2022年06月30日(木)15時49分

6月30日 東京株式市場で日経平均は、前営業日比411円56銭安の2万6393円04銭と続落して取引を終えた。2020年10月、東京証券取引所で撮影。(2022年 ロイター/Issei Kato)

[東京 30日 ロイター] - 東京株式市場で日経平均は、前営業日比411円56銭安の2万6393円04銭と続落して取引を終えた。世界景気減速への警戒が続いており、全体的に売りが広がった。後場には半導体関連など値がさ株の下げが加速し、相場を押し下げる要因となった。

日経平均は朝方小安くスタートした後、徐々に下げ幅を拡大。朝方発表の5月鉱工業生産指数は前月比7.2%低下と事前予測を大きく下回る結果で、市場は悪化を予想していたものの、日本株の重しとなった。

後場に入ると前場は堅調だった内需セクターにも売りが出て、日経平均は下げが加速。東京都では新型コロナウイルスの新規感染者数が増加傾向となっており、経済正常化が後ずれしかねないとの思惑も内需株の重しになった。

生産の落ち込みは中国でのロックダウン(都市封鎖)が部品調達に影響を及ぼしたことが要因で、足元では規制は緩和されているものの「今後も中国で感染者が増加したら規制を強めるのではないかとの悲観的な見方につながり、投資家はリスクを意識せざるを得なくなった」(T&Dアセットマネジメントのチーフ・ストラテジスト兼ファンドマネージャー、浪岡宏氏)という。

日経平均には割安感も生じており「買い戻しが入ってもおかしくない」(浪岡氏)が、世界景気減速懸念が意識される中で積極的な買いは見込みにくい。

一方で、景気減速懸念はくすぶるものの、国内要因として「選挙後は政策期待も高まりやすく、下値は堅いのではないか」(国内証券)との指摘もあった。

TOPIXは1.20%安の1870.82ポイントで取引を終了した。プライム市場の売買代金は3兆2144億3800万円。東証33業種では、値上がりは繊維業、パルプ・紙や電気・ガス業など5業種で、値下がりは鉱業や電気機器、輸送用機器など27業種だった。水産・農林業は変わらずだった。

東証プライム市場指数は、前営業日比1.20%安の962.42ポイント、スタンダード指数は、同0.81%安の968.33ポイント、グロース指数は、同1.07%安の843.77ポイント。

個別では、東京エレクトロン、ファーストリテイリング、アドバンテストなど値がさ株の下げが目立った。トヨタ自動車、ホンダ、デンソーなど自動車関連株もさえない。一方、三陽商会、サンリオは堅調だった。

プライム市場の騰落数は、値上がりが472銘柄(25%)、値下がりは1314銘柄(71%)、変わらずは52銘柄(2%)だった。

ロイター
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