ニュース速報

ビジネス

台湾TSMC、ドイツの新拠点巡り明言避ける

2021年07月27日(火)10時13分

半導体受託生産で世界最大手の台湾積体電路製造(TSMC)は26日、ドイツに新工場を建設する可能性に関し、協議は初期段階でまだ確定的なことは言えないと表明した。写真は同社のロゴ。2021年1月19日に台湾・新州市の本社で撮影。(2021年 ロイター/Ann Wang)

[台北 26日 ロイター] - 半導体受託生産で世界最大手の台湾積体電路製造(TSMC)は26日、ドイツに新工場を建設する可能性に関し、協議は初期段階でまだ確定的なことは言えないと表明した。

欧州連合(EU)欧州委員会は、米インテルやTSMCを含む世界の半導体大手と協議してきた。域内の半導体生産を増やし、世界的なサプライチェーン(供給網)の混乱による影響を受けにくくしたい考えだ。

TSMCの劉徳音(マーク・リュウ)会長は、年次株主総会でドイツでの半導体製造工場建設について質問され「われわれはドイツに関して真剣に検討しているが、極めて初期の段階にある」と応じ、顧客にメリットがあるかどうかを見極めようとしており、見通しについて語るのは「時期尚早だ」と続けた。

同社は今月、米国と日本での新たな工場建設を視野に入れていることを明らかにした。世界の最先端の半導体は大半が台湾で生産されており、生産能力が台湾に集中していることについて懸念がある。

劉氏は、米アリゾナ州の工場の拡張によってインフラや国家安全保障向けをはじめとする顧客の需要を満たすことになると説明した。

「顧客がわれわれの世界的な事業拡大の支えとなっている。非常に慎重に進めるつもりだ」と述べた。同社の海外展開のコストは、顧客が一部を負担することになるとした。

TSMCは今年、向こう3年間で1000億ドルを投資して生産能力を拡大する計画を発表した。新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)の影響や新たな技術の出現で先端半導体の需要が世界的に高まっており、成長機会が複数年続くと見込む。

ロイター
Copyright (C) 2021 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

フィッチ、米地銀NYCBを格下げ

ビジネス

アマゾン、南アフリカでネット通販サービスを開始

ビジネス

過度な変動への対応、介入原資が制約とは認識してない

ビジネス

米新興EVリビアン第1四半期は赤字拡大、設備改修コ
MAGAZINE
特集:岸田のホンネ
特集:岸田のホンネ
2024年5月14日号(5/ 8発売)

金正恩会談、台湾有事、円安・インフレの出口......岸田首相がニューズウィーク単独取材で語った「次の日本」

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    ヨルダン・ラジワ皇太子妃のマタニティ姿「デニム生地ジャンプスーツ」が話題に

  • 2

    「自然は残酷だ...」動物園でクマがカモの親子を捕食...止めようと叫ぶ子どもたち

  • 3

    常圧で、種結晶を使わず、短時間で作りだせる...韓国の研究チームが開発した「第3のダイヤモンド合成法」の意義とは?

  • 4

    「真の脅威」は中国の大きすぎる「その野心」

  • 5

    デモを強制排除した米名門コロンビア大学の無分別...…

  • 6

    いま買うべきは日本株か、アメリカ株か? 4つの「グ…

  • 7

    ロシア兵がウクライナ「ATACMS」ミサイルの直撃を受…

  • 8

    外国人労働者がいないと経済が回らないのだが......…

  • 9

    中国軍機がオーストラリア軍ヘリを妨害 豪国防相「…

  • 10

    翼が生えた「天使」のような形に、トゲだらけの体表.…

  • 1

    ロシア兵がウクライナ「ATACMS」ミサイルの直撃を受ける瞬間の映像...クラスター弾炸裂で「逃げ場なし」の恐怖

  • 2

    常圧で、種結晶を使わず、短時間で作りだせる...韓国の研究チームが開発した「第3のダイヤモンド合成法」の意義とは?

  • 3

    「2枚の衛星画像」が伝える、ドローン攻撃を受けたロシア空軍基地の被害規模

  • 4

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミ…

  • 5

    屋外に集合したロシア兵たちを「狙い撃ち」...HIMARS…

  • 6

    ヨルダン・ラジワ皇太子妃のマタニティ姿「デニム生地…

  • 7

    どの顔が好き? 「パートナーに求める性格」が分かる…

  • 8

    ロシアの大規模ウクライナ空爆にNATO軍戦闘機が一斉…

  • 9

    ロシア軍の拠点に、ウクライナ軍FPVドローンが突入..…

  • 10

    外国人労働者がいないと経済が回らないのだが......…

  • 1

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 2

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 3

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 4

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 5

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価…

  • 6

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 7

    一瞬の閃光と爆音...ウクライナ戦闘機、ロシア軍ドロ…

  • 8

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた…

  • 9

    NASAが月面を横切るUFOのような写真を公開、その正体…

  • 10

    「世界中の全機が要注意」...ボーイング内部告発者の…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中