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英中銀総裁、ネット大手の詐欺対策義務化に向け働き掛け=英紙
3月21日、英中央銀行(イングランド銀行)のベイリー総裁(写真)は、米アルファベット傘下グーグルなど巨大IT企業に金融詐欺のウェブサイト削除を義務付ける法律を制定するよう英政府に働き掛けを行ってきた。写真はロンドンで2019年2月撮影(2021年 ロイター/)
[ロンドン 21日 ロイター] - 英中央銀行(イングランド銀行)のベイリー総裁は、米アルファベット傘下グーグルなど巨大IT企業に金融詐欺のウェブサイト削除を義務付ける法律を制定するよう英政府に働き掛けを行ってきた。英紙サンデー・タイムズが報じた。
報道によると、ベイリー氏はパテル内相に対し、年内に議会への提出が予定される有害コンテンツ規制法案「オンライン・ハームズ・ビル(Online Harms Bill)」に金融詐欺サイトに関する規制も盛り込むよう働き掛けてきたという。
中銀の報道官は非公式な会合の発言に関してはコメントできないとした上で、総裁は公式な場で同法案の対象を金融サービスに広げるべきだと何回か発言したと述べた。
ただ、この分野は中銀よりもむしろ金融監督当局である金融行動監視機構(FCA)の管轄で、政策を決めるのはFCAだと説明。ベイリー氏は中銀総裁に転じる前はFCAの長官だった。
法案は巨大IT企業にネット上の児童ポルノやテロといった問題への対処を義務付ける内容だが、金融詐欺は対象外となっている。
サンデー・タイムズによると、グーグルについては詐欺の恩恵を受けているとの批判がある。手っ取り早い金もうけをうたう広告など、詐欺広告の掲載を求める企業や個人が金銭さえ支払えば検索結果の上位の枠を得られるからだ。
グーグルは通知を受ければ詐欺サイトを削除するとしており、過去に、詐欺に関するルールの実施が難しいのは規制当局からのガイダンスが不足しているからだとの不満を表明している。